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被災地支援競輪 KEIRINグランプリ2011
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 千両役者ならぬ、絵になる“1億円役者”が男泣き。12年ぶりにGPの舞台に戻ってきた山口幸二が、2度目のGP制覇を成し遂げた。
  「涙も枯れました。ゴールした瞬間に泣いて、散々泣いたから。いろんな思い出とかが、甦ってきて…」
  表彰式を終えた共同会見では、いつも軽快な山口節が戻り笑顔のトーク。
  「デビュー戦以来、初めて父親と母親が来てくれた。最後のGPになると思うからって見に来た。いい冥土の土産ができたと思う」
  06年の有坂直樹が持つ37歳の最年長記録を、大幅に塗り替える43歳でのGP優勝。40を越えた孝行息子だが、本番までは決して順風に帆を上げた訳ではなかった。
  「自分に悔いのない走りを」と、葛藤。中部3番手を固める位置取りを明言したのは、GP前検日の会見。そして平塚に入って体調を崩して、大一番には満身創痍で臨まざるを得なかった。
  「きのうまで熱が出ていて、寝込んでいた。僕が(優勝に)一番遠いじゃないかと。村上(義弘)はずいぶん僕の前で戦ってくれたし、僕を(GPに)乗せようと頑張ってくれた。でも、中部を捨てて村上に付いても、村上は喜ばないだろうし。中部の3番手か、自分でやろうって。はなから村上の番手はなかったですね。(中部が)それぞれの役目を果たしたから優勝できたと思う。きのうの夜に浅井(康太)と深谷(知広)と初めて作戦会議みたいなものをした。獲れるチャンスがあるなら深谷はまくり追い込みでもいいし。浅井は番手まくりでもいいって。前にも後ろにも遠慮をせずに、勝ちに行こうって。そうじゃないとこのタイトルは取れないからって。まぁ、2人ともタイトルを獲っているから、そこら辺はわかっているだろうし。その夜に床に就いたら、2人の気迫みたいなものが伝わってきた。自分も2人のために死ぬ気でやろって」
  “絆”を大切した山口が、ラインの結束力で獲た2度目の優勝。深谷が迷うことなく武田豊樹を叩いて打鐘からハイペースで飛ばし主導権。車間を詰めながら浅井が番手まくりを放ち、願ってもない展開を山口がモノにした。
  「今年はずっと優勝した選手の後ろ姿を見てきた。僕の前の選手が3回優勝しているから、うらやましいなって。きょうくらいは神様がみてくれたのかもしれないですね」
  今年はG1での2着が3回。タイトルをあと一歩のところで逃していた山口が、最後に笑って1億円を得た。
  「1億円ですか?どうしましょうかね。定期預金にでも(笑)。来年からは1番車の重責もあるけど、それに恥じないように。43歳じゃ絵にならないかもしれないけど、みなさんの車券に応えられるように」
  ここ数年の輪界の現状を憂いで支部長を務める山口が、これからも最強のレーサーとして輪界をけん引する。

  中団をキープした武田は、浅井の番手発進を待ってから最終4角で踏み出した。
  「赤板で脚を使ってなかったら、まくりに行けたと思う。それでもレースをしっかり動かしてるし。納得はしていないけど、ふさわしい人が優勝したと思う。優勝を獲るレースだったし、勝たないと意味がない。2着でも9着でも一緒ですから」
  準Vをこう振り返るが、落車の村上を待たずしてバンクにファンがなだれ込んだ不手際に武田の怒りが爆発。
  「落車した選手がまだゴールを目指しているのに、ファンが入ってきてしまった。俺もファンに追っかけられたし、どうなるかと思った。こんなこと前代未聞、あり得ないですよ」
  命をかけた一発勝負に水を差された武田が憤る。

  打鐘から目イチで駆けた深谷には、逃げ切る脚が残っていなかった。
  「幸二さんが3番手を付く意味を考えて、絶対に主導権は取らないといけないと思った。(最終)ホームで優勝が難しいと思ったから、中部から優勝をって。この雰囲気にもう一度戻ってきたい」

  前受けの佐藤友和は一本棒の7番手に置かれ、北日本3車の出番はなし。クールダウンをしながら佐藤が打ち明ける。
  「(中部2段駆けで)1発目は絶対不発に終わるから、2発目になりたかった。一番最初に動いたら浅井の餌食になるだけなんで、勝つためには一番最初に動いたらダメだと。GPなのにつまらないレースになってしまった」

レース経過
 号砲で佐藤友和がいち早く飛び出し、武田豊樹、山口幸二が続いた。初手は佐藤ー伏見俊昭ー成田和也、武田ー長塚智広、村上義弘、深谷知広ー浅井康太ー山口の順で並んだ。
  淡々と周回が進み、青板バックから深谷が早めに動いて前を押えると、すぐに武田も上昇し、誘導を斬って先頭に立った。村上は武田ラインを追走し、引いた佐藤は7番手。赤板ホームから再び深谷がカマシ気味に出てペースを上げると、そのまま先行態勢に入った。佐藤は前を追えずに7番手に止まり、深谷と入れ替わって武田が中団に入る。深谷はシフトアップし、グングンとスピードを上げていく。深谷が軽快に逃げるなか、浅井が1センターから車間を空けていき、バックから番手まくりを放つ。武田が2センターからまくり追い込み力勝負となったが、最後は山口が鋭く突き抜けて優勝。2度目のグランプリ制覇を果たした。
 

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