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第10回東西王座戦・東王座戦
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  鮮やかにジャガーチェンジ、武田豊樹が『完全』で大会連覇! 第10回東西王座戦(G2)東王座決勝は、武田がバックまくりで平原康多と新田祐大の派手な叩き合いを仕留めた。GP戦士・伏見俊昭や山崎芳仁、佐藤友和でさえポイント制に手を焼き脱落する超難解なサバイバル戦に、兵藤一也は2日目から海老根恵太マークを選んだが、関東勢は武田と平原を主軸に大量5名が優参に成功。直前に降り始めた小雨でバンクコンデションが急変する事態に戦略が狂う面々が増える中で、武田は冷静に超ド級のパワーを繰り出し関東の絆を実証した。

  武田が引き締まった表情で、優勝会見の会場に現れた。昨年2月玉野東王座以来のビッグ優勝にも浮かれた様子は一切なし。優参失敗、初日特選の1勝に止まった向日町記念をまずは振り返りながら、ヒーローインタビューを始めた。
  「向日町が散々な結果で、ファンに迷惑をかけた。で、今回の決勝は絶好の位置。ここで結果を出さないとダメだと」。
  後方からカマした平原に対し、新田は突っ張るかイン粘りか。武田は平原と車間を空けた後に、自力発進へ転じて「イン粘りなら、ここは勝負するしかない。モガキ合いになれば、平原君が頑張ってくれているわけだし、自分はどうすれば良いかと判断が難しかった。ただ、向日町の後では、外併走の練習をしっかりした。海老根君が強いし、グランプリ(京王閣)の様にならない様にと。力めばダメだし、平常心で踏もうと。ゴールまで平常心で踏んだ」。
  静岡記念を経て、G1最高峰のダービーが控えている。「去年はG1の決勝に何度も乗りながら、1度も勝てなかった。何でだろうと、原因を研究したい。今年はまず1つ取ってグランプリに向かいたい。その前に、まずは目の前の一戦一戦に集中したい」。
  『平原はどういう存在』の問いかけに、「ライバル。初日は後ろを回ったけど、自分の指定席とは思っていない。今後もお互いしっかりと頑張らないと。しっかり勝ち上がって、若手の手本に。お互い先行、まくりの選手だし。北日本や近畿勢のやり方は凄いし、強いが、こっちは神山さんや飯嶋君、良い追い込み屋もたくさんいる。みんなで関東を盛り上げたい」。

  ここからは残念組のレース後の様子を。
  突然の雨に、海老根恵太はパワーが半減した。単純に考えれば2着入線は上々の結果でも、『ピンピン』だった前2走と同様に、最終回で前団がもつれて絶好のV展開だったのは事実。「天候次第でギアを上げるかも」と2日目終了時に考え、「どうせバンク自体が重いし、イチかバチかで。今日の朝に決めました」と、雨走路に少し適さぬ3・92へギアアップが逆に足かせにもなった。「雨では、さらにバンクが重くなるイメージ。参りましたよね。もつれてまくり頃? いやいや、そんな感じには…。武田さんが前にいるしね。普段から先行している武田さんと、自分とは底力の違いを感じました」。前日には踏みやすいと評したセンター部は滑りやすい『壁』と化け、また、展開待ちが続いた最近のレース運びを自戒した。

  神山雄一郎は武田とワンツーを決められなかった。最終ホーム過ぎにひと呼吸入れた武田の動きに、一時的に岡部へと切り替えて、「武田が下がってきた感じで、俺はバックを踏んだ。それで、自然に内へと入ったよね。その後で武田が凄い加速。追走するのにきつかったよ。仕方なかったけど、車券で貢献出来ずファンには申し訳ないことを」。やむを得ずのプレーが、武田から遅れて伸びを欠く原因になった。

  神山が伸びを欠く事態に、飯嶋則之が直線で最内コースを踏み切り3着入線。「反応は良かったと思うけど、内しか踏めないっすよ。それぐらいの力しかない」と謙遜するばかりだが、最終バックでは神山を武田の後位へ導くなど、要所で脚力を消耗しながらの結果だった。

  平原康多は新田を叩けずじまいでシンガリ負け。しかし、その表情は晴れ晴れ。「良いレースが出来たと思います。武田さんが強いからこそ、ああいうレース(新田と力勝負)が出来ると思う。自分はライバル? 武田さんがそう評価してくれるのは嬉しい。しっかりと意思の疎通が出来る人はなかなかいない。2日目? 番手を回ったけど、簡単に回れるとは思っていない。普段からしっかり戦っていないと、神山さん達も納得してくれないはず。若手の手本にもなるようにね。早く体調を良くして、次に備えたい」。

  新田祐大はスタート時点から受難の連続だった。「号砲とタイミングが合わず、コケそうになりましたよ」と発走機を離れた直後にスリップした次には、正攻法で構えようと車を上げたが、結局は後方待機へ。「誘導のペースが予想以上に上がった」と前団を押さえた段階で脚力を消耗し、作戦変更からの突っ張り先行は最終バックで力尽きた。「目と目が合った平原さんの出方が読めず、引けないし、突っ張るしかないと。勝つレースが厳しくなり、ならば後ろが勝っても良いぐらいの気持ちで駆けた。渡辺(一成)さんは番手まくりを打っても良いのに、最後まで番手を守ってくれた。初日は自分は番手から出て行かなかったけど、今日は今日で渡辺さんも出て行かなかった。そういう気持ちは嬉しい」。こちらも、渡辺と絆を強めるばかり。次の2人の連係プレーが待ち遠しい。

レース経過
  号砲で兵藤一也がゆっくりと出て、目標の海老根恵太を迎え入れる。海老根―兵藤で前受け、中団に平原康多―武田豊樹―神山雄一郎―飯嶋則之、後方が新田祐大―渡辺一成―岡部芳幸の順で隊列は落ち着く。
  青板のバックから新田が早くも上昇を開始。前受けの海老根は車を下げず、誘導員の後位でしばらく併走する。打鐘前に新田が誘導員を交わして先行態勢に入るも、すかさず平原が仕掛けて両者で激しいもがき合いに。内の新田が平原を突っ張り切るが、態勢を立て直した武田が2コーナーから自力発進。懸命に逃げる新田を武田が3コーナーであっさり捕らえると、そのまま後続を千切って圧勝した。神山が離れながらも武田を追っていくが、その上をまくり上げた海老根が2着。神山追走の飯嶋が直線最内をしぶとく伸びて3着に食い込んだ。


 

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