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第25回共同通信社杯競輪 秋本番
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 “魂の連係”は近畿の専売特許じゃない。北日本ラインが鉄の結束で「盤石の態勢」を敷いた。新田祐大が踏み出しから全開。最終ホームからは山崎芳仁が番手まくり。そして、仕上げは伏見俊昭の峻烈差し。今年も残り2カ月あまりになって、ようやくビッグレースVを手にした。引き上げてきた山崎が「伏見さんもグランプリがかかっている。そういう気持ちも考えて」と話すように、ラインの4人が気持ちを一つにして勝ち取った勝利。共同会見に臨んだ伏見は、噛みしめるように喜びを話す。
 「ラインのおかげです。新田君、山崎君、斉藤さんと結束できたのが勝因ですね。新田君もSS班の権利を狙えますし、山崎君も人気を背負っている。僕も賞金でのグランプリ出場がかかっていますし、ある程度の主張もさせてもらいました。いくつかパターンは考えていましたけど、うまく作戦通り決まりましたし、4人が同じ考えで走れました」
  他のラインはまさに手も足も出ない状態。全く危ない場面もなく、伏見はまさに快勝の二文字。
 「完璧にレースを支配できました。優勝はゴールまで分かりませんでしたね。内から園田君が来るかもしれないし、武田さんもいますからね。ビッグの優勝は岸和田のSSシリーズ以来。この優勝は大きいと思います。狙って獲れるものじゃないですけど、こうしてラインの力で獲らせてもらったからには、僕も返さないといけないし、まだまだ追い込み型としては未熟なので、もっとうまい追い込み屋になれるよう、北日本のために頑張りたい」
 今回の優勝で賞金ランクは6位にジャンプアップ。グランプリ出場はほぼ確実となった。
 「決定した訳じゃないですけど、一戦一戦頑張って走るだけです。乗れるのであれば、グランプリに呼ばれていると意識しますけど、やはり自然体でいたいですね。昨年の全日本選抜で優勝を逃したのが、今まで響いていたんでしょう。油断がなければ獲れていたレースでしたし、あれから流れが悪くなっていったと思うし、この優勝でそれを払拭できました。この調子を維持して頑張りたい。これからは怪我と病気をしないよう、日頃の積み重ねで観音寺記念、松阪記念、競輪祭としっかり気を緩めずに頑張ります」

 山崎はためらいなく番手まくりを放った理由を「作戦的には流さず行こうと話していました。ペースを落として緩めれば、その瞬間は他のラインにとっても楽になってしまう。それを狙っているだろうし、前半を踏んでしまえば何とかなると思いました。詰まった感覚があったので踏み出したけど、自分のタイミングじゃなかったので苦しかった。これなら自分で先行した方がまだ楽ですよ(笑)」と説明した。

 新田も男を上げた。全く外連味のない逃走劇でまさに完封。大いに評価される内容の競走を展開した。
 「武田さんのヨコまでは思い切り踏んで、あとは徐々にペースを上げていったんですが、残り1周で完全に脚はいっぱいでした。山崎さんや伏見さんと連係する機会は何度もあるので、最初の頃のような緊張感はないけど、やっぱり先輩と走る時は力を出し切ることが仕事ですからね。今日も斉藤さんが4番手まで固めてくれているわけですから。残れなかったのは自分の力がないだけ。もっと持久力を身に付けたいですね」

 珍しく淡泊な競走に終始してしまった武田豊樹。
 「もっと遅ければ分断したりすることも考えたけど、あのタイミングだったら引いて巻き返しますよね。もっと川村君が北日本に脚を使わせると思ったんだけどな。まくり切ってしまいたかったけど、山崎君の番手まくりじゃね。緩まなかったなぁ。迫ったスピード自体は良かったと思うし、これからの戦いに向けて自力で戦うスイッチを入れられた。グランプリに向けて賞金も上積みできたし、競輪祭につながる走りはできました」

 単騎での戦いを選択した園田匠は勝負所を逸し、「結果的には、最初から伏見さんの位置で勝負すると決めれば良かった。色々迷いながらだったので、中途半端になってしまいましたね。何とか内から斬り込んでやろうと狙っていたんですが、斉藤さんが全くコースを空けなかった。さすがにベテランですね。やっぱりグレードレースの決勝は甘くない」。

 川村晃司は「武田さんの動きをアテにし過ぎましたね。ああなってはどうしようもない」と言葉少ない。

レース経過
 号砲で飯嶋則之が勢い良く出て、目標の武田豊樹を迎え入れる。隊列は武田—飯嶋の茨栃コンビが前団、これに川村晃司—小倉竜二のラインが続く。単騎の園田匠は5番手に入り、新田祐大—山崎芳仁—伏見俊昭—斉藤正剛の北日本勢が後攻めの形で落ち着く。
 青板過ぎの1コーナーから新田が早くも上昇を始め、バック前に誘導を交わして先頭に立つ。単騎の園田はこの5番手を確保し、下げた武田は6番手、川村は8番手に置かれる。新田は後続の動きを確認しながら徐々にペースアップ。新田のスピードは良く、別線は反撃できない。一列棒状の態勢で赤板、打鐘を通過する。前との車間を少し空けた山崎は最終1コーナーから番手まくり。最終2コーナーからまくり上げた武田は斉藤のヨコで勢いが止まって不発。絶好態勢となった伏見が直線鋭く追い込んで優勝を飾った。伏見追走の斉藤が2着に流れ込み、番手まくりの山崎は3着。北日本勢で上位を独占した。

 

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