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特別競輪
SSシリーズ風光る2010
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 モニターを見ていた選手もあっけに取られる逆転劇。「博幸、強すぎる」と開いた口がふさがらない。ゴール前10mまでは武田豊樹の逃げ切りかと思われた態勢が、ほんのコンマ1秒でガラリと変わった。大外を黄色いユニフォームが駆け抜け優勝賞金2490万円をかっ攫っていった。
  「自分でもビックリしましたね。作戦的なことは何も話し合ってなかったんです。兄が“俺のレース勘に任せろ”と言ってくれたので、僕はしっかり対応しますとだけ言ってありました。このメンバーで外を踏んで勝てたのは自信になりますね」
  共同杯、西武園記念と決勝戦を外していたが、原因はハッキリしていた。
  「花粉症が酷かったんで、走るのも嫌になるような状態だったんです。西武園の時は最悪でした。ここに来る前の練習も感じが悪かったので、焦って乗ってきたぐらいだったんです。それが、初日は思いの外、自転車が出てくれたんで、今回はやれるのかなと思いました」
  押しも押されもしない超一流の追い込み屋としての地位を揺るぎないものにした。
  「周りの人もそう評価してくれることが多くなってきたし、自分もその期待に応えて走らなアカンという自覚はあります」
  G1タイトルとしては二つ目。次なる目標は。
  「今は色んな事を考えながら成長できていると思うし、タイトルを獲るためには何をしなきゃいけないか細かく考えられてます。次は地元地区でG1があるので、そこに向けて全力で頑張りたい」

  兄・義弘は思わず感涙に咽ぶ。
  「走る前はホンマに嫌なんですよ。負けてしまえと思うぐらい(笑)。でも終わったら、やっぱり良かったなと思います。今日は走っていて楽しかった。このメンバーでは些細なミスも許されない。今日は山崎君をドカしたとき、後ろから当たって自分の勢いを殺したのが敗因です」

  連覇を期待された伏見俊昭だが、山崎芳仁と共倒れに終わる。
  「今回は近畿の流れを止められると思ってたんですえけど。前を任せた以上、仕方ないですけど、踏むところがなくてどうしようもなかった。武田さんがスンナリ駆けてるんじゃ、僕もまくれないですね」

  単騎での戦いとなった海老根恵太だが、見せ場を作れず。
  「武田さんと村上さんのどちらが前に出るのか見てしまった。もし村上さんが出たら、他のラインを出させないつもりで踏むだろうし、そこで迷ってしまって付いて行けませんでした。そこが誤算でしたね」

  レースの主導権を握ったのは関東勢。武田豊樹は積極策でゴール前、好勝負に持ち込んだ。
  「先行で勝ち負けを争える自信はありました。内容では僕の勝ちです」

  援護に回った神山雄一郎も「武田はよく頑張ったよ。キツい押さえ先行であそこまで残ったんだから。僕も仕事はしたけど、村上兄に引っかかって伸びなかった」。

レース経過
 号砲と同時に村上博幸が勢い良く飛び出す。成田和也を前に入れ、山崎芳仁―伏見俊昭―成田で前受け。村上義弘―村上博幸―加藤慎平で中団を形成、武田豊樹―神山雄一郎が後攻めとなり、単騎の海老根恵太が最後方という並びで周回が進んだ。
  赤板手前の4コーナーから武田が上昇すると、中団から村上も合わせて踏み上げる。打鐘前に村上義が誘導員を交わして先頭に立ったが、鐘と同時に仕掛けた武田が村上を叩いて主導権奪取。後方から巻き返してきた山崎に合わせて武田はホーム手前からスパート。その3番手を村上と山崎で激しく取り合う展開に。村上義が山崎をどかしてバックから強引にまくって出るが、神山のブロックに遭い、スピードは鈍ってしまう。武田がそのまま逃げ切るかと思われたが、村上博が村上義マークから直線外を強襲。粘る武田をゴール寸前で捕らえ、松戸ダービーに続き、G1連続優勝を飾った。2着には武田が入り、まくった村上義が3着。

 

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