KEIRIN EXPRESS|日刊プロスポーツ新聞社
HOME
特別競輪
記念速報
コラム
お問い合わせ
リンク
プロスポーツ
赤競.NET
永久保存版オールガイド
FAX-NET赤競
HOME > 特別競輪 > 第63回日本選手権競輪
特別競輪
第63回日本選手権競輪
◆記事タイトル画像◆
 
   
>>決勝戦の赤競.NETを表示する
 村上兄弟の夢が叶った。シリーズ制のG1決勝では初めてとなる兄弟連係が実現。博幸が兄・義弘を交わしてダービー王に輝いた。G1最高峰の日本選手権で兄弟ワンツーという最高の結果を残し、競輪界の歴史に名を刻んだ。
  「ゴールした瞬間、1着だと分かりました。感無量ですね。最近、兄と連係することが多かったんですが、いつも気合が入りすぎて周りの動きが見えなかったりというのがあったし、前回の西王座決勝戦で失敗してしまったというのもあって、今回は落ち着いて走れたと思います。レースは、兄の背中だけを見て、入れ込みすぎず付いていっただけです」
  デビューしてからずっと兄の背中を追って成長を続けてきた。今年は兄弟でS級S班の座を獲得。前回の西王座の決勝では同様の展開で3番手の市田佳寿浩に優勝をさらわれたが、同じ失敗は繰り返さなかった。これからも最強兄弟として近畿勢をリードしていく。
  「追い込みの方向に変わってから、チャンスをものにしなきゃダメだというのを西王座で強く感じたので、その次にすぐタイトルを獲れたというのは、僕からしたら今後につながるような気がします。G2タイトルからここまでは、短かったというか、夢のようですけど、今日は兄と一緒に走れたという方が強く残っています。まだ実感が湧きませんね。グランプリに乗れるというのも実感が湧いてないんです。自転車を始めた頃のこととかを思い出しましたね。あの頃はこうやって一緒に走れるとも思ってませんでした。これからも自分は役割を果たして、近畿を引っ張っていけるような選手になっていきたいと思います」

  村上義弘は美しい兄弟愛で博幸にVをプレゼント。レース後はまるで自分のことのように喜びを爆発させる。
  「お互いがお互いに高い目標を1つずつクリアしてこういう舞台を作れたし、僕ら兄弟が競輪の歴史に名を残せたと感じています。この結果は夢より遠いものだと思っていた。これが近畿の後輩に伝わってくれれば。今日は博幸を勝たせなきゃとか考えずに、ただ自分の力を出し切ることだけを考えていました。今日の結果でグランプリに近づいたと思うし、また新しい目標に向かってやっていきたい」

  山口幸二が加藤慎平マークから3着に突っ込んだ。検車場に引き上げてくると村上兄弟の快挙を祝福する。
  「G1で兄弟ワンツーという重みは僕も分かりますからね。目の前で見れたし、いい目標ができました。今日は最後にちょっと躊躇しましたね。目を瞑って入っていけば、もう少しいい勝負ができたかもしれません」

  総力戦で臨んだ加藤慎平は先制した村上兄弟を追走。3番手から早めに踏み込んだが、伸びを欠いた。
  「先手を取るのは近畿だと思っていました。サラ脚でいい位置を回れたし、いけると判断して外を踏んだんですけどね。力不足です」

  人気の福島コンビは不発。山崎芳仁は7番手に置かれる最悪の展開となった。
  「(坂本)亮馬は押さえるのに脚を使っていたし、あのタイミングじゃ引けないから粘ると思ったんですけどね。亮馬の様子を見てしまい、タイミングがズレてしまった。ホームで仕掛けるべきでしたね」

  伏見俊昭は山崎と共倒れの8着。サバサバした表情でレースを振り返る。
  「山崎君に任せた結果だから仕方がありません。ホームで行くのかと思ったんですけどね。山崎君が一番悔しいはず。それにしても(連係が)なかなか決まりませんね」

  坂本亮馬は中団を確保するも仕掛けられず6着に終わった。
  「後ろ攻めになるのは分かっていたけど、ちょっと難しかったですね。早めに斬って来るのが遅ければ粘ることも考えていたんですが、3番手でスピードが合ってしまって、そこで粘るよりはと思って中団まで下げました。判断が後手後手でしたね」

レース経過
 スタートで伏見俊昭が飛び出し誘導後位へ。山崎芳仁を受けて福島コンビが前団。松坂英司が三番手で東ライン。村上義弘―博幸が中団で、加藤慎平―山口幸二の岐阜コンビが京都勢の後ろで様子見。坂本亮馬―井上昌己の九州両者が後方待機で周回が進んでいく。
  青板から坂本がジワジワと上昇を開始、バック手前では山崎を押さえ込んだ。しかし山崎も引かずに誘導員を追走すると、赤板手前で坂本が誘導を交わし、ペースをガクッと落とした。スローペースで山崎も引き切れず、三番手に切り替えた村上義の内で粘る形になった。打鐘手前までペース上がらず、村上義が仕掛けると一気にペースが上がった。坂本は粘らずに村上義―村上博―加藤―山口まで出させて中団確保。山崎は七番手に置かれる展開となった。打鐘からペースで逃げる村上義のかかり抜群で最終バックでも一本棒のまま。山崎が三角過ぎに仕掛けるも車が出ず。逃げる村上義をゴール寸前で村上博が交わし、ダービー王に輝いた。村上義が逃げ粘っての兄弟ワンツー。四角から外踏んだ加藤に対し、中を踏んだ山口が僅差加藤を交わして3着に入った。

 

HOME このページのトップへ戻る


Copyright(c) 2010 Nikkan Prosports Shinbunsya kk. All rights reserved.
当サイトに掲載された全ての文章、画像について無断転載、直接リンクを禁じます。
お問い合わせはwebmaster@nikkan-pro.co.jpまで