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特別競輪
SSカップみのり09
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  ビッグレースは『勝つべき人間が勝つ』。「第2回SSカップみのり」を一言で形容するならそんな言葉がぴったりだろう。レースを制したのは山田裕仁。小嶋敬二の番手から抜け出すと、3番手の山口幸二を微差で振り切り、タイトルを手中に収めた。09年の後半戦は坐骨神経痛に苦しめられ辛酸を舐め続けたが、やはり帝王は帝王、大舞台の勝ち方を知っている。
  「9月が一番キツくって、全く自転車に乗れなかった。そういう意味ではそのあとの2〜3カ月でよくここまで立て直せたと思います。直前の練習ではある程度手応えはつかんでいたけれど、まさか優勝できるとはね。今回は僕の前を走ってもおかしくない(山口)幸二が、早々に僕の後ろを固めると言いきってくれた。自分としては別線かな?と思っていたので、一気に緊張感が増したけれど、逆に良い集中力につながりました。最後は幸二に外から抜かれたら格好悪いと思って力んでしまった分伸びを欠いたけれど、何とかしのぐことができましたね(笑)」
  レースは打鐘から全開で先行した小嶋が別線を粉砕。中部3車で4角を回ると、直線では番手から抜け出した山田と山口の壮絶な踏み比べでゴール線上は大接戦となったが、写真判定の末、軍配は山田へと挙がった。
  「本当は、中部4車でまとまりたかったし、浅井君には悪いことをしたという気持ちもあるけれど、結果的には小嶋君に任せたことで僕に展開が向きましたね。やぱっり小嶋君や幸二とはここまでずっと一緒にやってきた仲間だからね。今年は色々なところでベテランの活躍が目立った一年だったし、競輪界もその流れに続けて良かったですよ(笑)。来年からは、SS班。一度どん底まで落ちた自分の状態を、再び特別競輪を獲るレベルまで戻すのは本当に厳しい事だし、正直気持ちがどこまで続くか不安はあるけれど、SS班の名を汚さないためにも、頑張って行きたいですね」

  僅かの差でタイトルを逃した山口幸二も清々しい表情で検車場を後にする。
  「山田とはずっと一緒にやってきた間柄だし、どっちが1着でも良いと思っていた。微差まで迫れればたいしたもんですよ。それにしてもグランプリも微差で逃したし、今日も微差で負けた。今年の僕を象徴するようなレースでしたね。でも、中部にいい流れが着ているので、明日、うまく(加藤)慎平と永井(清史)につながってくれるといいね」

  小嶋敬二は迷いない先行策で山田の優勝をアシスト。疲れきった表情の中にも笑顔をのぞかせる。
  「今日は、後ろの二人がビッグネームだったからね(笑)。とにかく、いったんは出きらなくってはと思って早めに仕掛けました。最終ホーム前で村上義君が来ていたけど、もう前に出させるタイミングでもなかったので力一杯合わせました。おかげで最終4角を回ったところで脚が一杯。ダメだーと思いました」

 打鐘4角からすかさず巻き返した村上義弘だったが、小嶋を叩くことはできず最下位に沈む。
 「今日の展開を考えるとギアが一枚足りなかったのかな。近畿のこの3人で大舞台走れたことで、僕の中にも変なプレッシャーはありました。最終的には自分の力不足で申し訳ない。あそこでいけなかったのだから自分に力がなかったという事でまた頑張るしかないですね」

  兄・義弘が不発に終わると、切り替え懸命に追い上げた村上博幸だったが、3着までが精一杯だった。
 「やっぱり兄の後ろをまわるって事は半端な覚悟ではできないと今回のレースで思い知らされました。あのタイミングで躊躇せず仕掛けられることは凄い。もうちょっと自分の車が進めば市田さんにもチャンスあったけど、伸びるのが後半になってしまいました」

  新鋭・浅井康太は見せ場を作れず8着。レース後は反省の弁が口を突く。
  「打鐘で先頭に立ったあと、小嶋さんが叩きに来たタイミングが微妙だったので突っ張るか、引くか悩んでしまった。村上さんが仕掛けたあとは、僕も2〜3秒だけ休んですぐ巻き返したけどダメでしたね。あれで行けてれば強いって言われるんだろうけど、今回は力負けです」

  浅井追走の成田和也は6着まで。悲願のG1タイトルには手が届かなかった。
  「何故かはわからないけれど自転車が全く進まなかった。SS班のユニフォームを来て大舞台で競走できたことは素直にうれしかったけれど、来年に向けて課題が山積みだと思い知らされました」 

レース経過
 号砲で飛び出したのは山口幸二と村上博幸。両者でスタート争いになるが、村上博が山口を制し、誘導後位を取った。村上義弘を迎え入れ、3番手には市田佳寿浩が付けて前団を形成。小嶋敬二−山田裕仁−山口幸二の中部三者が中団に、浅井康太−成田和也−渡辺晴智が後方に構えて周回が進む。
  赤板過ぎで、浅井が上昇を開始。小嶋を押さえるようにして、打鐘で先頭に立つ。小嶋は浅井が出切り一旦緩めた所で、スピードを上げ先頭を奪うと、そのまま先行態勢に。村上義も主導権を奪おうと全力で仕掛けていくが、小嶋も合わせて踏み込み、前には出させない。村上義は最終2角で山田の牽制を受けて失速してしまう。前団詰まったところを浅井が巻きそうとするが、4番手辺りまでが精一杯。小嶋が先頭で4角を回ったところで、最終直線勝負に。小嶋は、最後の力を振り絞って逃げ粘ろうとするが、後位から山田が追い込んでゴール線を通過、SSカップみのり09を制した。3番手の山口はゴール前鋭く迫るが、写真判定の末、惜しくも届かず微差で2着に。最終バックで村上義から山口後位に切替えた村上博が3着に入った。

 

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