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特別競輪
第52回オールスター競輪
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 優勝後の記者会見で、何度も繰り返された「ラインの絆」という言葉。これが今回の優勝劇を何もかも表している。高松宮記念杯、寛仁親王牌、そして全日本選抜。三度繰り返されてきた平原康多と武田豊樹の連係。前後は違えど、お互いに躊躇のない仕掛けでVに貢献してきた。4度目となるこのオールスターでも、まるでビデオを見るかのような展開に。平原が飛び出すと、終3コーナーで武田が番手から発進。易々と二度目のタイトルを獲得した。
  「平原君とは何度も走ってますし、お互いに気持ちも分かっている。北日本や中部も強力ですが、絆という面では僕ら関東勢が一番でしょう。今日も平原君の気持ちが伝わってきたので、3コーナーから思い切り踏めました。四番手に石丸君が入っているのは確認していたので、最後まで優勝は確信できませんでしたね」
  これで賞金王争いではダントツのトップに立った。名実共に輪界最強の男として君臨。さらに高い目標を掲げる。
  「もちろん、ここで満足せずに次の優勝を狙っていきます。今回は準決勝で神山拓弥君と連係しましたが、彼のような先行屋が関東にどんどん育ってきてもらいたいし、何人かいる僕の弟子たちにもG1の決勝に乗れるような選手になって欲しい。そのために、トレーニングなども含めて僕にできることを頑張っていきたい」
  10月には地元取手での共同通信社杯も控えている。関東勢の黄金期をさらに確固たるものにするべく、さらに勢いを加速するつもりだ。
  「僕にとっても、神山さんにとっても地元戦なので、番組に恵まれることはなくても、気持ちの面では他の選手よりも高く持って走れますね。グランプリに向けても、しっかり勝ちに行きたい」

  武田Vの立役者はもちろん平原康多だ。全く迷いのない先行策。前半から緩めることなく踏み込み、隊列は最初から最後まで一列のまま。これでは他のラインは手も足も出ない。
  「僕の中で(先行は)決めていたことなので、特に言うことはないですね。自然な走りだと思いますよ。気持ちは二人に伝わったでしょう。これで神山さんもグランプリ出場がぐっと近くなったし、僕らにとっては最高の結果だったと思います。これから(武田との)前後は分かりませんが、僕もしっかり結果を残していきたいですね」
  神山雄一郎は2着。これで賞金でのグランプリ出場権を巡る争いでぐっと有利な位置に付けた。
  「前二人が本当に頑張ってくれたね。武田の強さは厳しいですよ。でも、今日はしっかり付け切れたし、石丸君の強襲を耐えられたので2着でも上出来です。これでグランプリが決まったと思わずに、これからも気を引き締めて戦います」

  中団を確保した石丸寛之は思わず天を仰ぐ。最終ホームでの追い上げ策が成功し、絶好の四番手。満を持して仕掛けたが、武田の番手まくりを交わすことはできなかった。
  「行くんなら2コーナーからだったかもしれませんね。みんなにもそう言われました。でも、前の掛かりがもの凄かったし、まくり追い込みの一発に賭けるつもりだったんですが…。前が詰まった瞬間に踏み出したんですが、武田さんが余裕を持ってたみたいで、全然でした。中団に入った時に車間が詰まってしまって、バックを踏んだのも影響は大きかった」

  二つ目のタイトルを狙った海老根恵太にとっては誤算の連続となったレース。自転車をバラしながら「永井が突っ張ると思って付けてたんです。石丸さんの位置が欲しかったけど、他人の動きをアテにしてるようじゃだめですね。力不足です」と語る。

  永井清史も悔しさに唇を噛みしめる。「突っ張りも考えていたけど、押さえに来るのが早かったので引きました。タイトルホルダーが二人いるラインと戦うのはやりにくい。また同じ相手にやられてしまった」とポツリ。

  永井に任せた村上博幸はサバサバした様子で、「永井に任せた結果なのでしょうがないですね。仮に平原を出させないように踏んだとしても厳しかったはず。でも、僕はしっかり脚が溜まっていたし、感じは悪くなかった。色々とつかめた開催になりました」と冷静にレースを振り返った。

  前日の記者会見では位置取りを決めかねていた稲村成浩は、本番では海老根の番手を選択した。
  「関東の四番手では優勝がないし、いい位置が取れたら海老根君も行けるだろうと思っていた。レースはなかなか思った通りにならないですね。永井が先行するんだと思ってたけど」

レース経過
 号砲と共に石丸寛之と稲村成浩が飛び出すが、スタート争いは稲村が制し、誘導に付けると海老根恵太を迎え入れる。以下、石丸―合志正臣、永井清史―村上博幸と続き、平原康多―武田豊樹―神山雄一郎の関東三車が後ろ攻めとなって隊列が落ち着く。
  レースが動き出したのは赤板ホームから。五番手の永井が上昇を開始すると、この動きに平原が続く。永井が海老根に蓋をすると、打鐘前二角からすかさず平原が踏み込んで一気に先頭におどり出る。永井は一旦は四番手を確保するが、前との間にわずかに口を空けてしまうと、外から巻き返してきた石丸にその隙を付かれて三角で入り込まれてしまう。やむなく車を下げた永井が後位の海老根の動きを牽制していると、四角からは平原が全開でスパート。石丸はここに続くが、永井と海老根は踏み遅れ、前団との間に致命的な車間が空いてしまう。平原は一切緩めず、後続も仕掛けの糸口をつかめないまま一本棒で最終バックを通過すると、三角からは武田が満を持して番手まくりを敢行。神山を連れて平原後位から抜け出す。石丸も四角で車を外に持ち出し直線勝負に全てを賭けるが、航続距離が短い武田は最後までスピードが鈍る事がなく、神山、石丸の猛追を振り切って、3月ダービーに次ぐ二つ目のGTタイトルを手中に収めた。
 

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