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18名そろったSS戦士の頂点を決める今大会。激戦を制して見事に初代チャンピオンの座を射止めた伏見俊昭は、表彰式を終えて共同記者会見場に姿を現すと、開口一番「GTだけどGTじゃないみたい」と話し記者団の笑いを誘った。
「山崎が小嶋さんを突っ張った時点で、自分は外ばかり警戒していました。そうしたら平原に内に来られてしまった。新田(康仁)さんなら分かるけど、まさか平原が来るとはね。そのあと追い上げたけど、小嶋さんや合志(正臣)君も来ていたし、山崎も1コーナーで中に被っていたからドッキングできなかった。山崎には悪かったけど、(佐藤)友和も後ろにいたから立て直してまくりに行きました。だけど前ももつれていたし、小嶋さんの番手まくりも見えたから届かないと思った。最後は執念ですよ」
今回は関東コンビ(平原―武田)の並びが流動的で、当日の顔見せまでわからないという難解なレースとなった。ファンはもちろんのこと、出走する選手たちも混乱した。
「どうなるか分かりませんでしたけど、武田さんに前で駆けられるときつかった。でも平原だったし、山崎にとってはかえって戦いやすかったんじゃないですか。ちなみに僕らの場合は機動型のふたりに全てを任せているし、そこは全く心配なかった」
この難局を制したのは伏見とって大きい。1着賞金の2490万円を獲得したことで、ほぼGP出場を手中にしたからだ。
「これで賞金ランク2位ですか。これでグランプリが見えてきたかな。だけど、GTを取ってグランプリに乗ることが本当の狙いだから、このあとも残りの5つのGTを狙いに行きます。全プロや宮杯と大きなレースが続くし、応援してくれるお客さんもいる。これからも気を抜かずに平常心で一戦一戦頑張りたいです」
逃げた平原康多の番手を確保した小嶋敬二は、番手まくりを敢行したがゴール寸前に伏見に飲み込まれた。
「四角で優勝と思ったけど、あの外をいかれちゃうんだから伏見が強かったってことでしょう。それに伏見はサラ脚だったでしょうし。今日は、打鐘で山崎に突っ張られたのが痛かった。あれで出切っていれば平原が飛んで来てもっと違った展開になったかもしれないしね。今日は疲れたけど、今回は手応えもつかんだし、次のGTで借りを返します」
伏見マークの佐藤友和は、僅差で3着に。伏見とワンツーを決められず、悔しさをにじます。
「最終ホームの動きはムチャクチャで、全く分からなかった。気が付いたら小嶋さんが平原の番手にいたし、連結も外れていた。落ち着いて伏見さんに付けてまくりに乗れたけど、3着じゃダメですね。スピードをもらっていたし、ワンツーを決めなければいけなかった」
山崎芳仁は平原に内をすくわれて万事休す。内に包まれてしまい、成す術なく終わった。
「平原が内をしゃくってきたのが予想外で、慌てて内を締めました。それでも1車だからいいやと思っていたら、外を一気に行かれてしまった。打鐘から突っ張ったし、その後も緩めて、バックを踏んでと、ずっと休めなかったから、もう立て直せなかった」
平原康多が風を切るも、ラインがもつれてしまい武田豊樹―神山雄一郎との連係が外れてしまった。
「昨日の夜に武田さんに『自分が前で駆けたい』と気持ちを伝えました。並びに関しては、お互いの意見が合った感じですね。今日は斬り合う展開で結果的に自分が逃げたけど、連係が決まらないのでは…。次は絶対に巻き返します」
平原マークの武田豊樹は「結果的に離れてしまったけど、平原が頼もしいレースをしてくれた。自分も追い上げたけど、小嶋さんも後ろの動きを見ながら踏んでいたし、こっちも脚を使っていたからもう一杯でした」と淡々とレースを振り返る。
新田康仁は単騎での組み立てとなったが、「今日はギアを92に上げて一発狙っていた。緩んだら一車でも行こうと思っていて、実際にホームで緩んだんだけど、仕掛ける勇気が無かった…」と、後手に回ったレース内容を反省する。
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