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記念速報
第24回読売新聞社杯全日本選抜競輪
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 デビューから20年。来年、不惑を迎えるベテラン選手に、最高のご褒美が待っていた。しかも、プレゼンテーターは同県の石丸寛之。それだけに、嬉しさもひとしおだ。
  「今回はちょっと腰の方も悪くて、決勝までとも思ってなかったし、準優すらも乗れるとは思っていなかった。それだけに、実感はないですね。普通なら泣いてるんですけど、涙もあまり出ないんで。何か不思議な気分です。だけど、石丸と一緒に大舞台にいけた事が何よりも嬉しかったです」
  レースは本線である山崎芳仁―佐藤友和―兵藤一也ラインが人気を集め、他にも荒井崇博と海老根恵太にラインができていた。そんな中、後方から強烈なスピードでまくった石丸に乗り、最後は直線で鋭く差し交わした。
  「ここは直線が短いし、差している選手はあまりいないので、ましてあの展開(まくり)で差せるとは思っていなかった。ただ、二人で千切っていると思ったんで、早めに追い込んでも中を割られることはないので、早く踏めたのが勝因だと思う。三番手がいると直線まで内を締めて回るんで、多分差せてなかった」
  デビューから常に第一線で活躍しており、常にその歩みを止めることは無かった。17年前に得た教訓をずっと胸に秘めていたからこそ、ここまで来れたと胸を張る。
  「(17年前、練習中に交通事故に遭い大怪我をしてしまったけど)まだ若かったから、神様が与えた試練だと思って、光が見えることを信じて、怪我するたびにそう思って頑張ってきました。実際、その後は良いことばかりあったんで、アクシデントがチャンスだと思ってここまできました」
  さて、年末にグランプリを迎える。“ほとんど考えていなかった”と話すだけに、準備はこれからだ。ただ、「G1の決勝に乗っている若かった頃は(タイトルを)外しても、また次に決勝に乗ればいいやと思っていたけど、(決勝に)乗れるのが3年おきとか5年おきになってくるうちに、乗る限りは獲る気持ちが強くなってきた」と意欲も十分。貪欲に、最高の結果を追い求めることだろう。

 2着の石丸寛之は、最終ホームで後方に置かれる苦しい展開も何のその。出色のスピードで前団を飲み込んだ。
  「(三宅と)どっちかが獲れればと思っていただけに、最高のかたちになりました。展開はある程度想定していた通り。海老根が無理にでも仕掛けるだろうから、落ち着いて踏めば大丈夫だろうと。出切ってからは海老根と山崎が前にいたし、荒井が内に詰まっていたのが分かったから、あとは友和(佐藤)だけを気にしておけばと思ってました。だけどメンバーがメンバーなだけに、ガンガンとスイッチしてくるかもわからなかったから、気が気じゃなかった」

 海老根恵太(3着)は好回転でまくって山崎の先行を捕らえたが、石丸にその上をいかれてしまった。
  「今日は四分戦だったし、緩んだところをすかさず行こうと思っていました。良いスピードでしたけど、ちょっと外に浮くような感じから無理やり行ったので、最後はきつかったですね。ただ、山崎の先行をまくれたのは初めて。この先、自信になります」

 山崎芳仁は迷いなき先行策に打って出た。結果は着外に沈んだが、佐藤友和をグランプリに送り込むことに成功した。
  「踏み出しのダッシュが良かったし、ホームでもうまく回せたんだけど、内が凄く重かったからスピードがあまり乗りませんでした。(1センターで)海老根さんが来た時、慌てて踏んだけど、“時すでに遅し”でした。それでも友和が乗れたわけだし、結果には満足しています」

 佐藤友和は5着に入線。前回のビッグ(共同通信社杯)に引き続き、ここでも山崎の援護を受けて、何とかグランプリ最後の切符を手に入れた。
  「海老根さんが来たときにブロックして、一角でスピードを殺したと思ったけど、全然でしたね(苦笑)。海老根さんが強かったってことでしょう。今日の展開になってしまったら1着は無理だと思ったけど、大敗を避ければ大丈夫だろうと。でも自分の力で獲ったわけでもないし、“どうにか乗れた”って感じです。やっぱりタイトルは遠いです」

 渡辺晴智は海老根に全てを委ねた。
  「海老根が良いレースをしてくれましたね。今開催の海老根は常に強気だったし、全て任せていました。実際に思った通りの競走をしてくれたし、展開的にも苦しいところを良く仕掛けてくれた」

 荒井崇博は内に詰まってしまい万事休す。立て直しも図れぬまま終わってしまい、「一回前に出て踏んでおけば、三番手に入れると思っていた。途中まで狙っていた通りの展開だけど、海老根さんに行かれてしまったから」と言葉少な。


レース経過
 号砲が鳴ると、真っ先に渡辺晴智が出るが、これを交わして三宅伸が正攻法の位置に入る。並びは、石丸寛之―三宅―海老根恵太―渡辺―荒井崇博―加藤慎平―山崎芳仁―佐藤友和―兵藤一也ですぐに落ち着いた。
  赤板ホーム手前から荒井が上昇。この動きに山崎も乗る。荒井が1センターで前団に並び掛けると、石丸は引いて、正攻法の位置は荒井に変わる。しかし、打鐘と同時に山崎が発進。山崎は2センターで誘導を交わし、そのまま先行態勢に入る。番手には佐藤が続くが、兵藤は離れ、三番手は荒井に。一方、後方まで下がった海老根だが、ホーム線を過ぎると一気に巻き返す。グングン前団に迫る海老根を、佐藤が二角でブロック。しかし、海老根は止まらず、佐藤は内に詰まる。そして、二角過ぎからは更に石丸―三宅がまくり発進。海老根はバックで山崎を捕らえるも、石丸はその外をまくり切り、三角では岡山両者がそっくり出切った。このまま直線に入り、ゴール寸前で渾身の伸びを見せた三宅がGT初Vを達成。2着は石丸で、3着にはまくられながらも、岡山勢を追った海老根が入る。
 

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