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第51回オールスター競輪
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 初日に内田慶選手が落車事故で亡くなるという悲劇が起き、開催中は終始、粛々としたものに。そんな中でも選手たちは強かった。恐怖にひるむことなく、一戦ごと集中して全力で戦い抜いたのだから。2日目からは、喪章代わりにフレームのパイプに黒いテープを巻いて走った。
  かつてナショナルチームで苦楽を共にした伏見俊昭にとっても、その悲しみは言葉にならないほど深いものだった。悔しさ、悲しさ、虚しさが一挙に降りかかったが、そんな最悪なシチュエーションの中でも、しっかりと自分の競走に徹し、栄冠を手に入れた。
  「今日は発走機に立った時からずっとあいつの事ばかり考えていたんです。普段はどのような事があってもレース前は集中できるもんですけど、今回だけはね…。ゴールを過ぎてからも頭から離れなかったし、あいつと一緒に走ったつもりでした」
  「五輪帰り」の注目度の高さも本人にとっては大きなプレッシャーとなった。北京五輪から帰国後、息付く間もなく迎えた復帰戦だっただけに、正直不安もあったはず。そんな伏見を支えたのは、頼れる仲間たちだった。
  「自分は不甲斐ない結果だったけど、北京では永井(清史)が日本の意地を見せてくれた。彼の頑張りを見て、自
分もやらなきゃと振るい立ったしね。今回はいきなりのGT戦で体調管理が難しかったけど、ここまで十何年やって
きたことだし、それなりにやれる自信はありました。今日は山崎(芳仁)が強いメンバー相手に迷いなく先行してくれたし、2,3日目は一成(渡辺)や友和(佐藤)が頑張ってくれた。みんなの支えで勝てたし、彼らの期待に応えなきゃといつも思っています」
  さて、これでグランプリ出場権をゲットした。この先続くビッグレースに向けて、更なる気合を入れている。
  「一戦一戦って気持ちに変わりはありませんよ。ファンの人の期待を裏切らない競走でこの先も頑張ります」

  九州勢最後の砦となった紫原政文は、山崎芳仁―伏見俊昭コンビの三番手を選択。絶好の展開をものにしてそのま
ま2着に流れ込んだ。検車場に引き上げると、師匠である中野浩一氏(スポーツコメンテーター)とがっちりと握手
を交わした。
  「今日は山崎を信頼して付いて行こうと思ってました。それにしても伏見は強かった。内も無理だし、中を割れる
気もしなかったですよ。それに、外をすごいスピードでいかれたし、3着かなと覚悟もしていたんです。いやぁ、こ
んな大きなレースで恵まれる事ってあるんですね。この先の地元戦(共同通信社杯)につながりましたよ」
 
  新田康仁は中団4番手からまくり、直線で大外を突いたが3着までが一杯だった。
  「良い位置が取れたんだけど、小嶋さんのまくりに合わせて出ないと被ってコースがなくなるんで、少し早めに踏
みました。自分の仕掛けるタイミングと少しずれてしまっただけに仕方ないですね。でも最後は紫原さんには踏み勝
ったと思ったんだけどなぁ」
 
  山崎芳仁は迷いなき積極策で、別線を圧倒。結果は6着に沈んだが、伏見の優勝に大いに貢献した。
  「今日は初手の位置からして積極的に行かなければいけない展開でした。今日が一番バンクが軽かったし、スピー
ド良く駆けられました。紫原さんがいてくれたおかげで、(ライン3車になったから)上手く駆ければ何とかなるだ
ろうと思っていました」

  小嶋敬二は仕掛け及ばずに9着大敗。準決勝で見せた圧倒的な強さは、ここでは微塵も見られなかった。
  「山崎は最初あまり踏んでいなかったし、行くかどうか分からなかったから半信半疑で踏んでいました。そうした
ら早めに押さえてビュンと行ってしまったから、車間が空いてしまった。どうにか詰めながら踏んだけど、山崎がか
かっていたし、もう脚が一杯。せめて新田の所は越えたかったですね」

  神山雄一郎は新田に全てをゆだねたが、残念ながら連にはからめなかった。
  「新田の後ろからコースを探したんだけど、雨が降っていた分、判断がワンテンポ遅れてしまった…」

レース経過
 号砲で素早く佐藤友和が発走機を離れると、大外から神山雄一郎が二番手をキープする。これで細切れ戦の決勝戦は前から佐藤―有坂直樹―新田康仁―神山―山崎芳仁―伏見俊昭―紫原政文―小嶋敬二―山口幸二の並びで落ち着いた。
  レースが動き出したのは青板周回の2センター。まず八番手の小嶋が上昇を始め、中団の山崎がこの動きに続く。正攻法の佐藤が車を下げず、小嶋は2コーナー手前から誘導員を下ろして先頭に。そこを迷わず山崎が叩くと、残り1周半を告げる鐘が入る。新田が四番手に追い上げると、小嶋はあっさり車を下げ、前受けの佐藤は八番手に置かれてしまう。一度ペースを落としていた山崎が4コーナーから山おろしで加速すると、最終ホームを一本棒で通過。後方からまず仕掛けたのは小嶋だった。車間を詰めた勢いで2コーナー手前からまくって出るが、3コーナーから新田に合わせて出られ不発に。新田が紫原の外まで迫ると、山崎後位で絶好の展開となった伏見が合わせるように踏み込んで04年静岡ダービー以来となる自身三度目のGI制覇。伏見に続いた紫原と、まくった新田で横一線の2着争いは写真判定の結果、紫原に軍配が上がった。

 

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