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第17回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント
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 小嶋敬二が準決勝で姿を消した時点で、戦局は山崎優位に傾いていた。新田祐大という格好の目標を得て、ラインが分厚い4車立てとあればなおさらのこと。あらかじめ磐石のV態勢が敷かれていたと言っていい。
 「今日は誰がどこから来ても新田が突っ張るという作戦でした。(平原)康多が来たけど、作戦通りいきましたね。(渡部)哲男がまくってきたさいも、二角手前から車間を空けながら踏めたし、スピードもあったからまくられるとは思っていませんでした。新田、岡部さん、成田さんらとの結束があったから勝てたと思います」
 前橋走路とは相性が悪いと公言していただけに、覇権奪取にも「予定外のタイトルが取れてしまった。不思議ですね」と苦笑いを浮かべる。
 「あまり良いイメージがないこのバンクで決勝戦に乗れるとは思ってませんでした。初日のレースに悔いがあったぶん、昨日、一昨日と積極的に駆けたのが良かったんだと思う。これで吹っ切れました。たぶんこのバンクでは自力じゃ(タイトルを)取れないと思っているし、ここで取れたのはラインの結束力があったからこそでしょう」
 今年の山崎は目標を聞かれると、常に「賞金額を上積みしてグランプリに出たい」と話していたが、思いもよらぬかたちでグランプリへの切符をゲットした。この先の目標を聞かれても「次の開催までに考えます」とすぐには思い浮かばない様子。それだけ予定外の優勝だったということだろう。最後まで喜びと驚きを隠せない、そんな表情だった。

 2着入線は岡部芳幸。福島勢の三番手を固め、山崎マークから流れ込んだ。
 「今日は作戦どおりでした。スタートから前受けで、何があっても新田が突っ張ると。有坂(直樹)さんが考えてくれた作戦でした。あれしかなかったし、その通りうまくいった。先輩サマサマですね。ワンツーが決まって良かったけど、成田の踏むコースをどうにか作って三人で決めたかった」

 最終二角から仕掛けた渡部哲男は山崎の番手まくりに合わされたが、しぶとく踏み続け3着に食い込んだ。
 「内が空けばしゃくっても良かったけど、空かなかったしあれが限界です。でもちょっと見せ場は作ったでしょう。まくれるかな?と思ったけど、それは無理やな。でも感じは良かったし、感触が戻って嬉しい。だいぶ、前を向いてきました」

 新田に突っ張られた平原康多は、後方に車を下げると、結局9番手に置かれてしまい、そのまま着外に。
 「今日は無理ですね。最大限早く押さえに行ったけど、ああされるとキツい。一度下げてから(打鐘で)追い出しをかけたんですが、切り替えられてしまって…。でも良い経験になりました」

 手島慶介は、平原が後方に置かれてしまい万事休す。為す術なく終わってしまい「結果的に負けたし、力不足の一言。毎度毎度になってしまうけど、次また頑張るだけです」と悔しさを噛み締めながらレースを振り返る。

 青板から駆ける積極策で福島勢を牽引した新田祐大は「主導権を握るのは自分にとって当然のことですから、迷いはありませんでした。先輩二人のワンツーに貢献できて良かった。この経験は、さらに上を目指す良いきっかけになると思います」と力を出し切り満足気。

 関東勢がそろう中、あえて位置を決めずに立ち回った小橋正義は「もっと展開がもつれていれば、自分に出番があったかもね」と一言。


レース経過
 発走機から真っ先に飛び出したのは成田和也。すぐに新田祐大を迎え入れると、山崎芳仁―岡部芳幸が続く。コメント通り成田は4番手に下げて福島ラインが完成。前受けからの攻めとなった。単騎の渡部哲男、小橋正義はそれぞれ中団で様子を見る。平原康多―飯嶋則之―手島慶介が後方に待機する態勢で勝負所を迎えた。
 平原は青板前から上昇して新田を押さえるが、新田は誘導を交わして突っ張り先行の態勢に入った。この動きでペースは上がらなかったが、平原はいったん車を下げて七番手の位置に戻る。新田は赤板から徐々に踏み上げ、立て直した平原が打鐘手前の二角からスパートするのを見て、全開で踏み込んだ。平原は中団割り込みを狙いバックを踏んだが、後ろの飯嶋と手島は減速が間に合わず平原の前に出てしまう。福島勢がさらに加速したため、関東ラインは再ドッキングならず平原は最後方に置かれた。渡部が二角立ち直りからまくり上げると、山崎は番手まくりを打ちグングンと加速。ゴールまで全くスピードが衰えず、山崎が親王牌を初制覇した。岡部が必死に食い下がり2着で一番人気に応える。成田は飯嶋とからんで伸び切れず、外をこらえた渡部が3着で入線した。

 

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