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特別競輪
第59回高松宮記念杯競輪
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 4回転の山崎芳仁、平原康多。ギヤを3・92に上げて、さらに戦法の幅を広げた新田康仁。連日の先行で悲願のG1初制覇へ突っ走る武田豊樹。スピードアップが著しい昨今の競輪界を象徴する華やかな自力型同士の対決に注目が集まった。だが、このレースを「自力ばかりが乗ったレースだから…」と冷静に分析している男がいた。
 「内は空くと思っていました。その瞬間に踏み込んだけど、無我夢中で入っていったのでよく覚えていません」
 共同会見に臨んだ渡辺晴智はVロードを見つけた瞬間をこう振り返った。寡黙な男は、G1連覇という結果にも相好を崩すことはない。
 「連覇という結果は素直に嬉しいですね。今日は新田が『任せろ』と言ってくれたので、それを信じて全て任せていました。よく伸びてくれたと思うけど、それも含めて新田のおかげです。(優勝の)実感はまだ沸かない」
 ダービー制覇後、多忙を極めて調子を崩したが、そこから見事に立ち直っての栄冠奪取。いつも強調するように、今回も周囲の協力があったからこそと話した。
 「全プロを欠場して体調を整えることができた。(村本)大輔たちと井川へ合宿に行きましたが、その成果が出てくれましたね。今回もTシャツに静岡の選手全員がサインしてくれて、それを着て走りました。みんなが力をくれたおかげです。これからも、静岡勢がもっと結束できるように頑張ります」

 外を踏み込んだ新田は2着に食い込み、結果的に渡辺と静岡ワンツーを果たした。
 「変に早く踏んでも後ろの山崎を引き出しちゃうだけだし、武田も同じ考えだっただろうから動かないのは仕方がない。僕だって5回ぐらい行くのを我慢しましたからね。でもタイトルを取れるという実感はつかんでいます。あと3つ(G1が)残ってるし、どれか取れるでしょう。(渡辺と)ワンツーが決まったのは初めてだと思うし、すごく嬉しい。次は僕が表彰台の真ん中です」

 ライン二車で覚悟の先行勝負に打って出た平原は、最終4角で内を空けてしまい万事休す。さすがに今回ばかりは悔しさを隠せない。
 「完全にクセですね。治さないとな。でも意識の中でやっていることじゃないから難しいですよね。先行したのは流れの中で決めたこと。今日はあまり考えずに走りました。勝てなかったのは力不足としか言いようがない」

 平原を援護した手島慶介も絶好の態勢から大魚を逃しショックを隠せない。
 「獲ったと思ったけど。4コーナーではまだ3割ぐらい脚が残ってたんですよ。まだ康多も頑張ってたし、あそこ前に踏むのもな…」

 三番手という願ってもない位置をゲットした武田豊樹だが、終2センターで仕掛けるもまさかの失速。これには武田自身も首を傾げるしかない。
 「先行で勝ち上がってきたので、さすがに今日は疲労感で一杯でした。もう少し車間を空けていればよかったのかもしれませんね。でも、勝てなかったけど悔いはありません。もう少し勝負強さを磨いてきます」

 山崎は8番手まで車を下げて巻き返しを図ったが、今日は前が遠すぎた。
 「平原が2コーナーからペースで駆けていたので、無理に仕掛けると3コーナーで浮いちゃうと思って仕掛けるのを待ちました。そこで前を見ちゃった分、踏むのが遅れましたね」

 山崎に任せた伏見俊昭だが、国内ラストの一線は消化不良となってしまった。
 「このクラス相手に引いて巻き返すだけじゃ厳しいですよね。ホームで叩いてくれれば…。次は北京に向けて全力で頑張ります」

 西日本勢からただ一人だけ優参した小倉竜二は無念の落車という結果に終わる。
 「晴智さんが行ったコースは狙ってたんだけど、先に行かれてしまって外に切り替えた。道中は中団にいるつもりだったけど、結果的には静岡勢より前にいないとダメでしたね」。


レース経過
 号砲と同時に伏見俊昭と渡辺晴智が誘導を追いかけたが、伏見がスタートを決めると山崎芳仁を前に入れて福島両者が前受け。以下、新田康仁―渡辺晴智の静岡コンビ、位置のない小倉竜二、武田豊樹―神山雄一郎、平原康多―手島慶介と並んで隊列が落ち着く。
 レースが動いたのは打鐘手前から。武田が上昇して山崎をゆっくりと抑え込むと、両者はしばし併走。山崎がホーム手前で車を下げると、すかさず平原が武田を叩いて主導権をにぎった。武田が3番手、新田が5番手に付け、山崎は8番手となった。一列棒状のまま最終バックを過ぎると、三角手前から新田がスパート。その動きを見た武田が2センターから合わせて踏み込んだが、いまひとつ車が伸びず着外に。新田は良い勢いで直線を伸びたが、2センターから内に入り、平原が外帯線を外した瞬間にコースを狙って突っ込んだ渡辺が1着をさらった。新田は惜しくも2着、まくり気味に追い込んだ山崎が大外を強襲したが、仕掛け届かず3着まで。

 

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