HOME > 特別競輪 > ふるさとダービー弥彦 >>決勝戦の赤競.NETを表示する 　 競輪界の看板選手が準決勝を無難にクリア。ラインの先頭を走る自力型は、先のダービーと全く同じ顔ぶれとなった。まさに至高の戦い。注目は先行選手同士の攻防に集まったが、その間隙を突いたのは曲者・手島慶介だった。主導権を握った平原康多が終４コーナーでインを空けたのを見逃さず一気の突っ込み。最内のコースを駆け抜けて二度目のビッグ制覇を成し遂げた。 　 「ゴールした瞬間は、抜いたっていう実感より、（コースが）空いていたのかなって感じでした。内に行こうなんて考えてなかった。必死に踏んだだけです。前の後輩二人が作戦を立てていたようですけど、僕はいつも通り『よろしく！』と声を掛けただけです」 　 前検日から体調不良を訴えていたが、ハンデを跳ね返しての優勝に喜びも格別だ。 　 「優勝してこう言うのもなんですが、今回は本当に調子が悪かった。でも優勝できて、良い励みになりました。一緒に練習して頑張っている後輩たちにも、気持ちでどうにかなるっていうのを見せられたかなと思います。直前に山梨の同期に頼んで合宿する予定だったのも、キャンセルして寝込んでいたぐらいですから」 　 手島に優勝をもたらした原動力となったのは、関東ラインの結束力だ。 　 「初日は結果が全て。番手を回って７着ですから。普通だったら確定板に乗れるようなレースをしてくれたんですけどね。ショックでした。準決勝も、もっとブロックなり何かできたと思うんですけどね。でも、仲間の頑張りで獲れたと思います。自分だけの力だけじゃないと痛感しますね。次はちゃんと体調を整えて、絶対に番手の仕事をできるように頑張っていきたいです」 　 強力なライバルを相手に先行勝負に出た平原康多。寸前で交わされたが、４回転という武器を得て、今後に向けても明るい展望が開けた。 　 「後ろの先輩に勝ってもらえればってぐらいの気持ちで走っていたので、抜かれたのは仕方がないですね。ペースで駆けてたけど、早めに小嶋さんが巻き返していたのは分からなかった。これで２着ならやった方でしょう」 　 山崎芳仁は早めの仕掛けに出たが…。 　 「後ろになるのは想定していたし、早めに（前を）斬って、平原が出たところで勝負だったんですけど、（平原が）なかなか来なかったのが誤算でした。でも、レースは面白かった。出入りが激しかったから」 　 小嶋敬二は悔しさを前面に表す。４回転の攻略というテーマを持って臨んだ開催で、勝ち上がりでは素晴らしいパフォーマンスを見せていただけに、無念の思いは強い。 　 「（最終ホームで）出切らないと意味ないですね。結果、今日の展開なら３・７１でも良かったかな。誤算だったのは山崎が誘導を交わしてスローに落としたところかな。諸橋くんに当たられて、一発で止まってしまった。でも今開催は５７や６４のギヤでも戦える手応えはつかめたし、収穫は多かった」 　 あわや落車かという勢いでハンドルを投げた有坂直樹。結果は届かず３着だったが、後方から伸びた脚色は抜群だった。 　 「すかさず小嶋が来たのが誤算だったね。でも、オレは８番手から３着だから上出来でしょう。今日はギヤを上げて正解。調子も戻ってきたね」 　 ただ一人、地元新潟から決勝に駒を進めた諸橋愛は、大魚を逃してガックリ。 　 「…しょうがない。今やれる全てをやった結果ですから。僕の力不足です。（小嶋を）止めに行ったときに平原が踏んで離れてしまったし、追い付くので脚を使ってしまった。直線でも合わされちゃったしね。悔しいけど、また頑張って力を付けるだけです」 　号砲でゆっくりと踏み込んだのは加倉正義。誘導後位に入ると小嶋敬二を受けて、小嶋―加倉―鈴木誠で前団。平原康多―諸橋愛―手島慶介の関東ラインが中団を占め、１番人気に支持された山崎芳仁―有坂直樹―小橋秀幸の北日本勢が後攻めで周回が進む。 　赤板前には山崎が上昇を開始。赤板で小嶋を押さえるとそのまま誘導員を交わした。ペースを落として後続の出方を窺う山崎に対し、平原が中団に切り替え、小嶋は七番手まで車を下げた。打鐘を迎えると、小嶋より先に平原が仕掛けて山崎を叩き切り先行態勢に入った。山崎は中団キープも、最終ホームから小嶋が発進。平原に襲い掛かるが、諸橋が好ブロックで小嶋を牽制。それでも踏み込む小嶋だったが、最終三角のブロックで失速。諸橋のブロックで空いた内に斬り込んだ手島が平原が外帯線を外すのを確認して最内に潜り込み、ゴール前で伸び切って、２度目のふるさとダービー制覇を決めた。逃げ粘る平原と、山崎が外を仕掛けた為中割り強襲に出た有坂が並んでゴールも、写真判定で僅差堪えた平原が２着、有坂が３着となった。 　 HOME このページのトップへ戻る

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