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特別競輪
第61回日本選手権競輪
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 地元静岡勢が13人と大挙して参戦した駿府ダービー。しかし準決勝に勝ち上がったのは渡辺晴智ただ一人だった。そして難関の準決勝をクリアした時点ですでに勝利の女神は微笑んでいたのかもしれない。最終ホームでカマした山崎芳仁にピッタリマーク。渡辺の横までまくってくる選手もおらず、ゴール前で差し切ってG1初制覇を地元で決めた。
 「マスコミの皆さんも6日間地元勢を盛り立ててくれたと思いますし、感謝します。レースは1番車を生かして前受けしたのは作戦どおり。山崎君も前受けで勝負したいという事だったしね。前の山崎君が頑張ってくれたに尽きるけど、後ろを合志(正臣)君が固めてくれたのも大きいですね。ホント、前後のおかげです。最終四角を回っても勝てる気はしませんでした。正直、自転車の出も悪かった。中を割ってきた合志君に押された感じで勝てたのかな。ゴールした瞬間に勝利は確信したけど『やっちゃった』みたいな感覚でした」
 常に南関ラインの大切さを重視する渡辺だけに、インタビューでも随所に、南関という言葉が出てくる。
 「初日は新田(康仁)、準決勝では海老根(恵太)君と南関の自力型が頑張ってくれて決勝まで勝ち上がれた。地元の皆も、僕の気持ちをほぐすように色々盛り立ててくれた」
 そう話すと立ち上がり着ているTシャツの背中を記者団に見せた。そこには参加した地元選手のサインが。皆の思いを背負って挑んだ決勝戦だった。
 渡辺とは別地区ながら、果敢に主導権を取った山崎芳仁。東西の横綱対決はひとまず小嶋を封じた山崎に軍配が上がった。
 「前受けで正解でしたね。僕が押さえる形になってたら、逆にカマされちゃったでしょう。小嶋(敬二)さんはラインが長かったけど、そんなに早い仕掛けはないと思ってたので、駆けるチャンスはあると思ってましたよ。残れるようにペースで駆けたつもりだが、晴智さんも地元で気合入ってたし強かったね。今年はタイトルは諦めて、賞金ランクでグランプリを目指そうかな(笑)」

 山崎と人気を二分した中部勢は山崎のカマシに気付くのが遅れたようだ。打鐘で前に出た小嶋敬二は残念そうに振り返る。
 「まず平原が出て誘導を追わずにペースをガクンと落としたのが意外だった。誘導を使ってペースを上げていくと思ったが…。押し出される形で前に出たが、ペースが上がってなかったし踏み出しがキツかった。かなり山崎を意識して仕掛けを見てたつもりだが、全然見えないところから仕掛けられたね」
 小嶋マークの山田裕仁も山崎の気配に遅れ、最終バックで小嶋から切り替えるも追走一杯のまま終わった。
 「作戦は小嶋任せ、ただ初手の位置取りにだけこだわった。僕も山崎君の仕掛けに気付くのが遅く、アッと思ったら横にいた。後は小嶋君がどこまで頑張ってくれるかだからね。理想を言えば、山崎君ラインを僕がさばければベストだったね。でも久し振りにG1の決勝戦でゴールまでたどり着けた」
 中割りから2着に食い込んだ合志正臣。度重なるケガに泣かされてきたが、この一戦が復活のキッカケになるか。
 「突き抜ける手応えはあったが…。抜けるという自信で油断してしまったのかな。イケルと思った瞬間に晴智さんに締め込まれてスピードを殺された。勝つどころか晴智さんを押しちゃいました。勝てるチャンスだっただけに悔しいですね」

 最終ホームでは後方に置かれた平原康多だったが、間髪入れずに巻き返しを図った。しかし、山崎のスピードを上回ることはできずに合志の横までで一杯。車体故障もあり、ゴール前は失速し9着に終わった。
 「本当は後攻めは避けたかったが、内枠の二人に出られて仕方なかった。八番手じゃ一度は動かないとレースになりませんからね。山崎さんラインを追い掛けながら、あそこしかないというところから仕掛けたつもりだけど、山崎さんは段々かかっていきましたね。悔しいけど仕方ないです」
 藤原憲征は表彰台こそ逃したが、平原後位から4着に食い込んだ。平原の健闘を称えながらの帰り支度となった。
 「いいタイミングで仕掛けたと思うし、普通なら出切れるスピードでしたよ。ただ駆けてた山崎君が普通じゃないし、中団に入ってた小嶋さん、山田さんも普通じゃないからダメだっただけ。やっぱりこのクラスになるとレベルが違いますね」


レース経過
 号砲で地元の渡辺晴智が飛び出し、目標の山崎芳仁を迎え入れる。周回は山崎―渡辺―合志正臣が前団、小嶋敬二―山田裕仁―山口幸二―浜口高彰の中部勢で中団を形成、平原康多―藤原憲征の関東コンビが後攻めの形で落ち着く。
 赤板前の4コーナーから平原が上昇。前受けの山崎が車を下げると、平原はピッチを緩める。打鐘で前に出た小嶋は中バンクに上がり、山崎の動きを確認しながらゆっくり踏み込む。4コーナーから山崎が一気にスパート。これに合わせて小嶋も仕掛けるが、最終ホームで山崎があっさり出切って主導権奪取。渡辺、合志がしっかり続き、山田はこの四番手に切り替える。バックからまくった平原は渡辺の横まで。番手絶好態勢となった渡辺が直線鋭く追い込み、地元で悲願のGⅠ初優勝を飾った。直線中を割った合志が2着に食い込み、逃げた山崎は3着。

 

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