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特別競輪
KEIRINグランプリ07
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  「自力がある選手は違うね…」。まくった小嶋は肩を落とした。全日本選抜を彷彿とさせる小嶋の豪快なまくり。それでも真っ先にゴール線を駆け抜けたのは赤い勝負服に身を包んだ伏見だった。
 「差したかどうか分からなかったけど、(優勝したのは)自分かなと思って手を挙げました。(作戦は)たぶんみんな前受けを狙ってくると思ったので、自分も(前に)出られればと思ったんですけど、山崎君が中団か後ろからということだったんで任せました。残り2周半で押さえに行ったんでちょっと早いかなと思ったけど、ずっとフタをして得意のパターンに持っていったなって感じでした。でも、友和君の抵抗で出切るのに脚を使った感じでしたね。いつもの駆け方で、残るような感じで駆けていたんですけど、トップスピードに上がる前にまくられているので去年と一緒のパターンになった感じですかね。でも掛かり自体は悪くなかったと思います。晴智さんが(小嶋の番手に)いなかったことで自分に有利になったけど、遅れながらくるのは嫌だったんですぐにスイッチしました。最後はナショナルチームでやっているスピードが生きたような感じでした。前回の優勝とは全く違いますね。でも、優勝は優勝なんで本当に信じられないです」
 来年からは北京オリンピックへ向けての戦いが最優先される。その中で得たGP覇者の称号は、伏見にとって大きな価値がある。
 「来年はオリンピックの枠を取ることが第一です。多分、オリンピックの方が優先になってしまうと思うんで、その中で今年最後を締め括れたのは自分にとってプラスだと思いますし、調整ができない中で特別競輪を走りますけど、何とか自分の持てる力だけは精一杯発揮できるように頑張ります。大本命の山崎君の後ろを走らせて貰って、自分から応援してくれたファンの皆さんに感謝で一杯です。今日の売り上げはどうだったのか分かりませんけど、来年から少しでも競輪の人気が出るように、自分達選手が頑張って、関係者の皆さんと力を合わせて頑張って行きたいと思いますので、ファンの皆様にはこれからも競輪を応援していただきたいと思います」

 戦列復帰から1カ月。小嶋は本来のパワーを取り戻し、山崎を豪快に飲み込んで見せた。それでも遠かったゴール線。「優勝したと思ったら…」。賞金1億円は、その手からスルリと零れ落ちた。
 「30メートル線まではアタマかな? と思ったけど、伏見がすげえ伸びてきた。(伏見は)脚を使ってないもんね。ホームで前がすげえ掛かってたけど、3コーナーまでに出切っとかないとと思って山崎を目掛けて行った。後ろは晴智だし信頼して、抜かれたら抜かれたで力を出し切れたらしょうがないと思ってたけどね。(渡辺が)付いてきてれば優勝もあったかもしれないけど、こればかりはタラレバだから。でも山崎をまくれたので良かった」

 初めてのGPで「号砲も聞こえなかった」ほど緊張していた飯嶋だがきっちり伏見に続き3着をキープした。
 「まずはレースになったので良かった。山崎君が後ろを取ったので、押さえ先行か、カマシだと思って気合を入れてました。良い展開でしたね。僕の脚力としてはやった方ですよ」

 逃げたのは山崎だった。「積極的に行くと言ってた以上は…」と果敢に見せ場を作ったが、小嶋のまくりに遭い6着に敗れた。
 「(自力では)小嶋さんと久々の対戦で、負けたのも久し振り。11秒5で駆けてたんだから、小嶋さんが強すぎたってことでしょう。ホームで友和に踏まれて、脚を使った。あれがなければ11秒2が出たかも。先行選手として最低限のことはやれたのでよしとします」

 前受けまでは「作戦どおり」だった佐藤だが、小嶋の早い巻き返しに勝機を逸した。
 「切って、切ってのレースを理想としてたけど、あれはあれで良い展開だった。突っ張る気で踏んでたけど、このスピードなら四番手に入れると思って下げたら小嶋さんがすでに行ってた。入ったときに後ろを確認できてればね。楽しかったけど、こんな舞台で何も得られないレースだったのがもったいない」

 一度はまくる小嶋の番手奪取に成功した手島だが、「結果、離れたんで脚がなかった。ゴチャゴチャしたらまくりも考えてたんですけどね」とレースを振り返る。

 勝負どころで小嶋との連係を外した渡辺は悔しさを隠せない。
 「一番離れちゃいけないところで離れました。今年は一回も離れたことないのにね…。脚力不足です」

 佐藤に任せた有坂は5着まで。2年連続のGP制覇はならなかった。
 「悔しかったけど、僕らにもチャンスはあったね。友和が小嶋に付いていければいい勝負ができたかもしれないけど、まさか晴智が離れてるとは思わないでしょ。去年より緊張しました。京王閣のときと違って、お客さんに囲まれてる感じと迫ってくる感じがすごくて顔見せのときは自分に酔っちゃいました。立川のGPは違いますね。来年タイトルを獲るのは難しいだろうから、何がなんでもグランプリに出るのを目標にします」

 初出場の感想は「やっぱり楽しいより、悔しいの方が先」。7着に終わった兵藤は早くも2年連続のGP出場に目標を切り替えた。

レース経過
  号砲が鳴ると佐藤友和がいち早く飛び出し、渡辺晴智が続いた。並びは佐藤―有坂直樹、小嶋敬二―渡辺、手嶋慶介―兵藤一也、山崎芳仁―伏見俊昭―飯嶋則之の順で落ち着いた。
 淡々と周回が進み、レースが動いたのは青板周回の2コーナーから。後方の山崎がゆっくりと上昇して小嶋の横で止まり、しっかりと蓋をする。ジャンが入り、山崎が前を叩きに出ると、前の佐藤も合わせて踏み込んだ。手島は山崎ラインに切り替え追走する。突っ張る素振りを見せた佐藤だが、結局は山崎を出させて中団取りを狙う。山崎はそのまま踏み込んで主導権を握る。後方の小嶋は最終HS過ぎからまくりスパート。小嶋はグングンとスピードを上げ、バック過ぎに山崎を抜き去った。すると伏見が俊敏にスイッチし、ゴール前は両者のマッチレースとなった。直線に入り、小嶋は最後の力を振り絞ったが、ゴール寸前で伏見が鋭く差し切った。

 

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