KEIRIN EXPRESS|日刊プロスポーツ新聞社
HOME
特別競輪
記念速報
コラム
お問い合わせ
リンク
プロスポーツ
赤競.NET
永久保存版オールガイド
FAX-NET赤競
HOME > 特別競輪 > ふるさとダービー函館
特別競輪
ふるさとダービー函館
有坂直が今年初V
 
   
>>決勝戦の赤競.NETを表示する
 レースを見守る選手が集まった検車場では、ゴールの瞬間、一斉にため息が漏れた。見るもの全ての言葉を失わせる圧巻の押し切りで、初のふるさとダービー制覇。今年2度目のビッグタイトルを手にした山崎芳仁だが、いつものポーカーフェイスを崩さず、仲間の待つダッグアウトへ引き揚げてきた。まずはレースを振り返る。
 「今日は村上さんを警戒して、(村上が)先行するつもりなら、その上を叩いていこうと思っていました。でも村上さんに突っ張る気配がなかったので、これは楽に出られるなって感じでしたね。打鐘過ぎの4コーナー手前から踏み出して、村上さんがまくりに構えていると判断したのでバックで少し踏みました。ゴール前もしっかり踏み返すことができました」
 まさに横綱相撲での勝利。全てが思い通りに運んだ。
 「(佐藤)慎太郎さんも(GPへの)賞金が掛かっているし、どうしても上位に連れて行きたかったんですが、僕が1着になってしまいました。今日は自分が良かったですね。最近は練習量を落としているんですが、夏場に入る前に追い込んでいたので、この時期に出たんじゃないでしょうか。次の地元記念も優勝を目指して頑張ります。これからも力を出し切る競走でファンの皆さんの期待に応えたいですね」

 誰よりも優勝に近い位置にいたはずの佐藤。だが、山崎の強烈な踏み直しに屈し、しばし呆然とした表情を見せた。
 「あれで勝てないんじゃ、しばらく優勝は無理だな。山崎は強い。強過ぎる。道中も余裕がなかった訳じゃないし、自分なりに交わしに行くには最適の車間を空けたつもりなんだけど。とにかく4コーナーからが強烈。2、3歩踏んで、交わせない感じがしました。やっぱり、今回は落車の影響がありましたね。もう一度、脚を作り直してきます」

 3着には三番手を固めた望月永悟が続いた。
 「展開は良かったけど、駆けた人が強過ぎ。村上さんがまくってきたのは分かったけど、それ以外の後ろがどうなっているかはまるで分かりませんでした。すんなり回って3着という結果には納得していません。これからも、まだまだ練習しがいがありますね」

 一方、モガキ合いを挑んだ佐々木則幸はお手上げといった様子。
 「あれが4回転のダッシュとは思えませんよ。打鐘で山崎が村上さんをけん制しているのが見えて、自分が無視されてましたからね。ホームでは腹を括りましたよ。絶対に合わせてやろうと踏み込んだんですが、無理でした」

 村上義弘もレースを振り返りながら、改めて対戦相手の山崎の強さを分析した。
 「自分としてもすかさず行ったつもりだったけど、山崎がグングン掛かっていってしまった。三宅さんに張られて、時間を取られたのもいたかった。もう一車でも前にいたら、2コーナーのカントを使って行けたかもしれませんね。それにしても山崎君は全盛期の吉岡級ですね。あれだけの力と倍数がかかっている選手を崩すのは厳しい。ギアを掛けるのは良い面と悪い面があるはずなんだけど、山崎君にはメリットしかないみたいですね。スピードも全然落ちないし、普通の選手とは違う」

 村上とタッグを組んだのは前田拓也。
 「とにかく村上の後輪しか見ていませんでした。まくり切ってくれれば面白かったんですが、山崎が掛かっていたし仕方がない」

 連日、好回転を見せていた三宅伸だが、佐々木との連係は実らず。帰り支度をしながら、「ノリ(佐々木)が山崎を合わせてくれれば面白かったんだけどね。全て任せた結果だから仕方がない。また4着でした」と取り囲んだ記者に応える。


レース経過
 スタートで村上義弘と望月永悟が飛び出したが、望月が車を下げて近畿コンビが前受け。村上―前田拓也―合志正臣、中団に山崎芳仁―佐藤慎太郎―望月永悟、佐々木則幸―三宅伸―阿部康雄が後方待機で周回が進む。
 赤板前から佐々木が上昇を開始。村上を押さえると村上は中団まで車を下げる。中団の外に車を上げた山崎は村上の動向を見ながら、仕掛けるタイミングを計る。打鐘過ぎの2センターから山崎がスパート。佐々木も懸命に踏み込むが、最終ホームで山崎が出切って主導権を取り切る。ライン3車がきれいに出切ると、佐々木はズルズル下がって、三宅が望月後位にスイッチ。村上が渾身の力でまくり上げるも望月の牽制で力尽きた。ゴールは山崎と佐藤のマッチレースも佐藤に交わせる気配はなく、山崎が横綱相撲で堂々と押し切った。

 

HOME このページのトップへ戻る


Copyright(c) 2007 Nikkan Prosports Shinbunsya kk. All rights reserved.
当サイトに掲載された全ての文章、画像について無断転載、直接リンクを禁じます。
お問い合わせはwebmaster@nikkan-pro.co.jpまで