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特別競輪
第16回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント
流れ味方に小嶋敬二が連覇
 
   
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 宮杯に続いて、小嶋敬二が見事にGI連覇を飾った。勝ち上がりは未勝利だったが、風は小嶋に吹いていた。「決勝戦に乗れたことに尽きると思います」。佐藤慎太郎の失格で、準決勝を繰り上がりで突破すると、決勝戦では新鋭・永井という最高のシートが待っていた。
 「永井君がいましたからね。走る前に永井君は顔がこわばっていたというか、緊張していたので、『お前は人が思っているよりも強いからリラックスして駆ければ、もがき合う選手はいない。安心しろ』と話したんです。やっぱり初めて特別競輪の決勝に乗った時は緊張したっていう僕の経験もあるので、そこで浜口(高彰)さんとか他の中部の選手みんなの気持ちを背負う立場であって、僕も緊張するんだけど、永井君がちょっとホッとしたので良かったです」
 永井が平常心を取り戻しさえすれば、あとは予想通りのレースで結果を出すだけだった。
 「僕の経験から言うと佐藤君も獲りたい、獲れる位置にある選手ですし、荒井(崇博)君も二度続けて(特別の決勝に)乗って、獲れる選手なので、永井のように思い切った競走のできる立場の選手ではないですからね。そういった意味では後ろを取れた時点で永井君の先行というのは決まっていたと思います。そこで永井君が先行する時に、僕がいかに千切れずに脚を使わないで回るかっていうことがキーポイントでした。最終ホームを過ぎた辺りではけっこう永井もスピードに乗ってたし、僕の脚もちょっと余裕があったので、これは獲れるかなという気はしてました。でも、後ろの手島君も強いので、早く出て行くと僕もやられるイメージがあったし、バックぐらいからの仕掛けが理想だった。そこまでは永井君に持って欲しかったし、理想通りの展開になったと思います」
 自ら「最大の難関」と話していた東日本、そして33バンクでのGIを優勝という最高の形で締め括り、GI後半戦は強い小嶋を中心に展開されそうだ。
 「中部は山田(裕仁)さんや浜口(高彰)さん、山口兄弟とかタイトルホルダーがたくさんいて、しばらく獲れなかった。こうやって続けて獲ることによって、気持ち的に僕も余裕が出てくるので、どんどん上手く回して、北日本ばかりというのではなく、やはり西日本を盛り上げて、競輪界を面白くしていきたいと思います。この後、五百(バンク)の特別が2個続くので、すごいチャンスはある。今年は五百なら獲れるというような練習をしているので、一番困難と思っていた33で獲れたし、ひとつひとつ勝ち上がって強いところを見せていきたいと思います」

 最終バックは荒井に続いて五番手。そこから空いたインコースをスルスルと上昇した渡部哲男が2着に。自身初のGI表彰台にも、「惜しかったなあ」と悔しさがにじむ。
 「上手く内に入ったけど、やっぱり小嶋さんが強かった。それに(内に)入ってから一回バックを入れたのも痛かった。荒井さんが仕掛けてくれたおかげでコースが空いたし、何もせずに終わった訳じゃないからね。でも、いつかは(GIを)獲りたいですね」

 成田の動きに続いて、内から3着に強襲したのは岡部芳幸。
 「友和が(永井が)掛かり切る前に仕掛けると言ってくれてたので、前の三人の動きに上手く乗って行ければ勝機はあると思ってました。まだ友和は頑張ってたし、伏見がそこからどう判断するかと見ていたけど、思ったより成田が(内に入るのが)早くてびっくりした。前が入ったら付いていかないといけないし、そこからコースを見つけるしかないでしょう。今日はあれが精一杯でした。」

 北ライン三番手から内へ切り込んだ成田和也にもチャンスはあった。
 「タイミングが微妙でしたね。バックで哲男の内に入った時に、空いてたかな? と思って、ちょっと緩めてしまった。あそこが勝負でしたね。もっと早く行けてればチャンスはあったと思う。打鐘からスピードが上がって、けっこうキツかったけど、集中してレースに臨めてただけに悔しいです」

 逃げた永井清史は、小嶋の優勝に貢献できたことで満足げな表情を見せる。そして達成感だけではなく、打鐘からハイペースで逃げたその姿にはGI初の決勝戦とは思えないたくましさを感じさせた。
 「緊張してたけど、発走前に小嶋さんから『緊張するな』と言われて余計な力が抜けました。小嶋さんは目標としている選手。その選手の優勝に貢献できて嬉しかった。はじめから2周行くつもりだったし、出し切りました。佐藤さんには先行争いに付き合って欲しかったけど、出てからは落ち着いて駆けられました。これからももっと(決勝に)乗れるように頑張ります」

 準決勝は鮮やかなまくりでバンクレコードを塗り替えた荒井崇博。決勝も前受けから上手く中団を確保したが、永井のハイペースに余力は残っていなかった。
 「哲男のコースを行けば良かった。ミスですね。レースは狙い通り。永井が先行して、友和がまくって小嶋さんが慌てて出るだろうから、そこからレースを組み立てるつもりだった。でも小嶋の外に車を持ち出したら止まってしまった。(GIの決勝に)二度連続で乗れたので、次は三度目の正直になるように頑張ります」

 ライン四車ともっとも長く、出方が注目された佐藤友和は、「(永井と)やり合ってもしょうがない」と話すと、決勝戦を振り返り始める。
 「押さえた永井が踏み上げるところを無理やり叩こうかなと思ったけど、永井の力が強かった。荒井さんの前までは行けるかな? と思ったけど、行けなかったからね。結果的に後ろに迷惑を掛けてしまった。ホームで哲男さんとハウスしそうになって、タイミングがずれたのも影響したかも」

 その佐藤に任せていた伏見俊昭は致し方なしといった表情。
 「もう友和は捨て身で駆ける選手じゃないですからね。中団からならあんな感じでレースを組み立てる。僕は付いて行っただけだし、今日は全て友和に任せてました。(打鐘の)2センターで仕掛けると言ってたけど、前もけっこう掛かってましたね」

 地元からは唯一のファイナリストとなった手島慶介だったが、小嶋の番手まくりに続いたが直線で渡部にすくわれ万事休す。「フワッと上がった時に、内を行かれてしまった。残念です…。十分経験を積んだはずなのに、これがGIなんですね」。大魚を逃してガックリ肩を落とす。 

レース経過
 号砲と同時に渡部哲男が飛び出し、荒井崇博が続いた。初手の並びは荒井―渡部が前受けし、中団には佐藤友和―伏見俊昭―成田和也―岡部芳幸が入り、後ろ攻めは永井清史―小嶋敬二―手島慶介となった。
 周回が進み、青板周回のバックから早くも永井が上昇を開始し、赤板手前で誘導を斬って先頭に立った。永井は流すことなく踏み続け、一気にペースを上げて先行態勢に入る。ジャンが鳴り永井はトップスピードに入る一方、各ラインの先頭は車間が空いた。永井が全開でフカすなか、ホームから後方の佐藤が反撃を開始。しかし、二角から小嶋が番手まくりを敢行したため、佐藤は合わされ外に浮き後退。結局、番手から出た小嶋がそのまま押し切って優勝。三角から内を斬りこんだ渡部が直線で伸びて2着に入り、渡部と同じく最内を突いた成田に岡部が続き、追い込んで3着となった。

 

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