注目の06年ヤング・グランプリは、佐藤と渡辺とで北日本同士で壮絶な先行バトルが繰り広げられたが、渡辺の番手で脚を溜めた金成が直線鋭く抜け出してVを飾り、昨年の山崎芳仁に続いて福島勢が連覇を果たした。GU初優勝を飾った金成は「北日本勢が6名いたので、その中から誰かが優勝すればいいと思っていたし、緊張感もなくリラックスしてレースに臨めました。去年は山崎君が獲って宮杯でも優勝しましたから、同じように僕もそれに続きたいですね。来年はGTの優勝を目指してグランプリに乗りたい。来年も競輪祭は特選にシードされているし負けられません」。勝利者インタビューでは「どんなモンだーい」と雄叫びを揚げるパフォーマンス。「9人のメンバー中、自分が一番ダッシュ力がないから」と喜びを最大限の表情で示した。
G前で金成の強襲に屈するも、終始レースを支配して負けて尚強しの印象を植えつけた佐藤は「出切られたら番手で粘るつもりでした。同じ北日本でも別線になった以上はプロとして遠慮はできませんから。結果は別として力は出しれたし、ファンも満足してくれるでしょう」と表情からは無念さは感じられなかった。
佐藤の番手という絶好のポジションを生かせず、3着に沈んだ菊地は「直線に入って金成さんに締められ一瞬バックを踏んだのが痛かった。最後は内を踏んだけど仕方ないですね」と肩を落とす。
佐藤を叩き切れずに四角で力尽きた渡辺は「去年と同じ展開でしたね。最終ホームで一旦出切った時に流し過ぎて、また内から救われてしまった。躊躇せずにもっと踏んでいれば良かったですね」。
永井の一発に賭けた石橋慎は共倒れに終わる。
「2車だし早めに出ないでゆっくりと構えようと話していました。前を任せた結果だし悔いはありません。先行選手の気持ちは良く分かるから」。
永井は「本当は前を取って組み立てたかったけどね。渡辺君はダッシュがあるから絶好の展開かと思ったが、やはりベストコンディションではなかったですね」と言葉少なに帰り支度を急いだ。
90期生から唯一出場を果たした北津留は、終始最後方で見せ場なく終わった。
「自分で踏む流れがなく仕掛けられなかった。また来年頑張ります」と淡々とした表情で振り返る。
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