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KEIRINグランプリ06 12/30
最後の切符は合志正臣がゲット!
 
 
   
 大方の予想通り、山崎芳仁が逃げる、手島慶介が中団キープからまくる。七番手に置かれた吉岡稔真の巻き返しは? 最終ホームからの戦いとなったグランプリ。そんなレースで勝利の女神が微笑んだのはベテラン有坂直樹だった。
  「手島君と慎太郎君の間のコースが開いていたので、スムーズにゴールできた。山崎君は日本一の先行屋だし、慎太郎君は日本一のマーク屋だから、三番手に付いていれば良い着は取れるだろうなと思ってた。前の二人よりは気楽だったし、おそらく9人の中で僕が一番気楽だったと思います」
  北日本ラインの参謀格だった有坂はレース前から念密な作戦も考えていた。
  「レースの作戦は、前を取ったら早めに誰かが押さえてくるだろうという読みだったので、緩んだら引いてカマす、もし駆けられてしまったらまくりというのが一つ、もう一つは後方から押さえるて、タイミングが遅いと手島君が粘ってくるかもしれないので早めに押さえようというものでした」
  一緒に戦った山崎、佐藤、そして北日本地区の選手への感謝もあるが、やはり根本を支えてくれたのは家族だった。
  「家族の支えが一番大きかったと思うし、ワガママを聞いてもらってますからね。半年以上秋田に居なくてもカミさんがいつもいろいろな事をやってくれているので、感謝してます。そして、弱っている時にも応援してくれたファンにも同じように感謝したい。GTよりも先にグランプリを獲ったけど来年はタイトルを獲れるように。今年はグランプリに乗れただけでもラッキーだったと思うし、北日本の若い自力型の選手に付いて、先輩でも坂本勉さんのように強い自力型がいて、みんなのおかげでグランプリに乗れたと思うし、本当に感謝しています」

 2着に終わった手島慶介だが、悔しさは表に出さずサッパリとした表情でレースを振り返る。
 「山崎君がかかる前に仕掛けなくちゃと思い、いつもより30メートル手前で仕掛けたつもり(笑)。後閑さんが獲ってくれればいいくらいのつもりで仕掛けた。さすがにゴール前は一杯でした。でも変な緊張感もなくいつも通りのレースができたし満足です」

 その手島マークから優勝を狙った後閑信一はガックリと肩を落とす。
 「三角で前を見過ぎて手島に踏み遅れてしまった…。手島の仕掛けが自分のイメージと違ったけど情けないです。手島は強かったし、あれだけ早めに行ってくれただけに…」

 1番人気に支持された山崎―佐藤の福島コンビは単調な流れが予想外だった様子。まずは主導権を取り切った山崎芳仁から。
  「僕がかかり切る前に手島さんに来られたね。手島さんも脚を使わずにスンナリ中団だったからね。もう少し中団がもつれれば違ったと思うが…。でも有坂さんが獲ってくれただけ良かった。あのまま手島さんに勝たれるよりはやっぱりラインの人が勝ってくれたほうがね」

 手島にスイッチした佐藤慎太郎だったが、1/8輪手島に届かなかった。
 「山崎君が出切った時点で勝ったと思ったが。有坂さんより一車いい位置を回って勝てないのは力不足ですよね。それにしても手島さんの仕掛けが思ってた以上に早かった…」

 最終バックは八番手に置かれた合志正臣は俊敏な差し脚をもってしても出番がなかった。
 「手島さんが早めにまくったので、その上を吉岡さんが仕掛けるいい展開になるかと思ったが、前団の選手が強かったね。全て吉岡さんに任せた結果だし仕方ないです。今まで吉岡さんのまくりを差すという目標で頑張ってきたので、最後のレースで吉岡さんに付けられたのは感慨深い思いです」

 

 なお、このグランプリ06を走り終えて吉岡稔真選手が引退を表明。表彰式の舞台でファンに別れを告げると、京王閣競輪場に来ていた、『不動会』の弟子達に胴上げされて、感慨無量の表情でバンクに別れを告げた。
  「引退を意識したのは、昨年の名古屋オールスターが終わったあたりから。度重なる落車で体が悲鳴を上げていた。それでもこのまま終われないという気持ちで頑張った結果、ダービーを獲れてグランプリの舞台を走れた。ダービーを獲った時点でグランプリでの引退を決めてました。ファンの方々や弟子達に見守られて引退できて光栄です。一番印象深いのはやはり地元競輪祭の初優勝(1992年)ですね。今後の事は全く未定ですが、1、2カ月はゆっくりして全国の競輪場にでもあいさつ回りに行きたいですね。17年間、ほんとうにありがとうございました」


レース経過
 号砲で、合志が出て正攻法。合志の前に吉岡が入り、吉岡―合志―井上―手島―後閑―小倉―山崎―佐藤―有坂ですぐに折り合った。
  レースが動いたのは赤板前の2センター。後方から山崎が上昇し、赤板では吉岡に並び掛ける。両ライン併走から二角で吉岡は引いて、誘導の後位は山崎に変わる。また、この時に手島―後閑―小倉も北勢に切り替え、吉岡は七番手となる。ここから動きはなく、山崎が最終ホーム入り口から誘導を外し、そのまま先行態勢へと入る。後続を一本棒にして逃げる山崎だったが、掛かり切る前に、二角で手島のまくりが襲い掛かる。手島はバック過ぎの佐藤からのブロックを凌ぐと、2センターでは山崎に並ぶ。そして、直線入り口で山崎をまくり切って先頭に。しかし、北ライン三番手で脚を溜めていた有坂がガラ空きの中コースを一気に駆け抜け、手島を交わして栄冠を手にした。
ゴール写真 優勝写真


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