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特別競輪
第5回東西王座戦・西王座戦 2/18〜21
最後の椅子を手に入れた加藤慎平
 
   
 沢田が勢いを見せつけた! 二次予選で自身通算300勝のメモリアルを達成、執念のイン差しで大混戦の準決勝10レースを突破すると、これ以上ない最高の展開が用意された。赤板前から村上と金子が、超ド級の叩き合い。そして、前を託した市田がドンピシャのタイミングで自力発進と、全ての流れが沢田に向いた。「それぞれが持ち味を出し、近畿から優勝を」と沢田、村上、市田の一致した意見が、沢田に冠付きの302勝目、平成9年ふるさと防府以来、2度目のGU優勝をもたらした。共同記者会見場に現れた沢田は、満面の笑みで優勝インタビューに応じた。
 「今の心境? もう嬉しいだけ。一番理想の展開。村上と金子がモガキ合って、市田のまくりに賭けた。(市田が)思ったところで仕掛けてくれた。3コーナーでインから有賀さんに絡まれた時は、もう2着でいいかと思ったけどね。思ったより車が伸びた。市田の踏み直しが凄かったけど、何とか差せた」
 昨年は夏場から大スランプに陥った。フレームやセッティング、戦術に悩み、FT戦線で優参を逃がすのも珍しくなかった。それでも、全日本選抜の前に合宿を張るなど緊張感を持続した。今大会直前にはタイヤ引きを交えた車誘導などで、高城信雄らと共に脚を作り直した効果が地元・近畿地区の大一番で現れた。
 「ホントは開催前に体が重くて、不安に感じながら前検を迎えた。でも、日に日に思いどおり体が動くようになった。自転車への悩みとかはもうない。FT戦では自力勝負がメインだけど、ビッグレースでは番組や流れに応じて戦う。もう、そういう年齢でしょ。3月にはダービーがある。今年は感じが良いし、まずはGTの決勝に乗るのを目標に頑張る」

 ここからは残念組のコメント。
 市田はまたも、初タイトルを逃がした。渾身のバックまくりも叶わず、沢田に差し込まれ「沢田さんには、素直に“おめでとう”と。力みもないし、掛かりも良かったし、タレもしなかった。初手の位置関係から、村上さんと金子さんで叩き合うと…。何もかもがうまいこといったのに…。しかし、腐らず気持ちを維持して頑張ります」と前を向いた。

 叩き合いは村上が制した。二日目『春日賞』で先制を許した金子を封じ、「自分の意地! やられたら、やり返す。金子君のダッシュは思ってた以上。勝負に負けたのは悔しい。でも、これが競輪の醍醐味でしょう。叩き合いはファンも予想してくれたんでじゃないでしょうか」と高まる興奮を沈めながら、普段より早い始動に至った心理を説明した。

 一方、金子は言葉が少ない。浜口の「最終ホームからカマシで良いからと、金子に言ったけどね。レース中に熱くなったみたい」との作戦を変更し、早々から村上に挑んで敗れ去ったが「自分のレースをしただけ。遅めのカマシとかまくりとか考えてなかった。もちろん、優勝を狙った上で。村上さんが待ってた感じで、叩きにいった。力不足。良い勉強になりました」。

 村上をマークしながら3着止まりだった小野は、「誰かが飛んでくるかと、外へ持っていった。外を見ていたら、厳しいタイミングで有賀さんがインに…」と最終バックの運行を悔やんだ。

 また、有賀は単騎にも奮闘した。村上後位を奪取し最終2センターを迎えたが、「能力の限界を超えていた。番手を取り切って安心したら、バックを踏んで脚に…。休んだ分、伸びがね。しかし、小野は強い。やっぱり、最後に抜かれたもんね」と珍しく神妙な表情だった。


レース経過
 やや間を置いて、各車がスタート。真っ先に飛び出した市田と沢田が正攻法に、村上、小野、合志のトリオが中団三番手以下を占めた。単騎で有賀が六番手、金子、一丸、浜口のトリオは後攻めの形で、隊列が早々と落ち着いた。
 戦闘開始は赤板前のバック。金子が車を外すと、合わせて村上も上昇した。早々と誘導員を退避させた村上は、尚も踏み込み全開でスパート。赤板で主導権を奪った村上に対し、中団五番手はイン市田、アウト金子で取り合う形。打鐘で再び金子が踏み出すと、村上は鮮やかに突っ張り切った。
 最終ホームで金子が力尽き、村上ラインへ車を寄せた一丸は小野に弾かれ圏外へ消えた。この動きでガラ空きのインへ差し込んだ有賀は、バックで小野を飛ばし村上後位を奪取。同時に踏み出した市田は、小野のブロックを凌ぎ村上をまくり切った。
 2センターからは市田、沢田、有賀、小野でアタマ勝負。フォームの乱れなかった市田が初の戴冠かに、有賀を決めた沢田がグイッとV差し。有賀は伸びを欠き、外から沢田に迫った小野が3着に入線した。


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