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第47回競輪祭 朝日新聞社杯争奪 競輪王決定戦 1/26〜29
小倉竜二が7年ぶりのタイトル獲得
 
   
 決勝戦を見守っていた選手から、「勝負強いわぁ」と声が漏れた。吉岡稔真が不発、海老根恵太は二の脚を使って粘り込む。しかしVロードは、誰よりも後ろにいた小倉竜二のために用意されていた。「思った通りの展開になった」。ごちゃつく前団を冷静に見つめ、脚を溜める。5年ぶりのタイトルチャンスにも平常心を失わず、持てる全てを燃焼させた。最後は得意のハンドル投げ。小倉という一人の選手が凝縮された、7年ぶりの特別Vだ。
 「前はもつれるだろうし、吉岡さんは必ず行ってくれると信じていました。僕が一番好きな展開になってくれた。吉岡さんが止まった瞬間、内を行こうと判断したんです」
 落車の多い小倉にとって、ここ数年は怪我との戦いを強いられ続けた毎日だった。
 「マイナス思考にだけはなっていなかった。G Iの決勝に乗ったのは花月園の全日本選抜以来だけど、ここまでずっと僅かな差で優勝戦に行けてなかったから、まだ自分には脚が足りないんだと言い聞かせて練習に打ち込んでいました。まだ完璧じゃないけど」
 誰よりも早くグランプリ06の権利を手にした。
  「前回獲った時はタイトルの重さも分からないままだったし、グランプリはゴールできなかったからね。今度こそしっかりレースをしたい。まだまだ自分に獲れる脚はないから、とにかく練習しないと。この後はダービーもあるし、地元のふるさとダービーも控えているんで精一杯頑張ります」

 小倉の優勝を称えながら、やはり悔しさを隠し切れなかったのは吉岡。北九州の先輩、後輩に囲まれながらレースを振り返った。
 「1コーナーで見過ぎてしまったのが痛かったね。何も考えずに行ってしまえばよかった。自分の気持ちの中で”取りたい”という部分が大きかった。展開を判断するのが遅れてしまったのもあるし、ここで行くとタイミングを決めていたら小倉君といい勝負が出来たかも」

 初日特選と同じく佐藤慎太郎が前を回った北日本勢。“連係”という二文字に岡部芳幸と佐藤の思いは交錯したが、この決勝では互いに持ち味を出し切った。佐藤は、「番手勝負しなきゃいけないというプレッシャーが強かった。勝ちにこだわれば別の展開があったのかもしれないけど、自分の役割は果たしたんで。四角までハコを回れたし、海老根を抜けば優勝できたんだから、自分に脚がないということ。練習しなおします。岡部さんの言いたいことも分かるんで、北日本でタイトルをたらい回しにできるよう、考えていきますよ」
  岡部も、「慎太郎が番手に行ってくれたし、自分たちのレースはできたんで納得です。悔しいという気持ちはあるけど、ずっと乗れなかったG Iの決勝に乗れたし、得るものは大きかったですね」

 加藤慎平も最高のパフォーマンスを見せてくれた。
 「番手に追い上げたのはレース中の判断です。(佐藤を)競らせて中団からまくる手もあったと思うけど、あそこに加わらずに入られなかった。勝てると思って行ったんだけど」

  全日本選抜に続いて決勝戦に駒を進めた海老根恵太。実質的には先行一車の展開だったが、チャンスはものにできなかった。まさに惜敗の2着。
 「自分にチャンスがある組み合わせで特別の決勝を走れるなんてなかなかないのに、それを生かし切れなかったのは悔しい。慎平さんがカマすと思っていたんだけど、追い上げだと分かってペースで駆けたんですが」

レース経過
 号砲と同時に加藤と小倉がダッシュ。正攻法の位置を占めたのは小倉で、吉岡を迎え入れて前受けの態勢を取った。加藤―志智が続き、佐藤―岡部―有坂直樹、海老根―佐々木が後方待機で周囲回を重ねる。
  セオリー通り海老根が赤板で上昇すると、北日本トリオも合わせて動く。佐藤は佐々木に番手戦を挑み、両者の並走が第一の焦点となった。打鐘で誘導を交わした海老根がペースアップすると、加藤が追い上げて海老根後位はもつれにもつれる。アンコにされた佐々木は後退、加藤も踏み遅れてしまい、海老根の番手は佐藤が確保した。タイミングを見ていた吉岡は終二コーナーからまくり勝負。ジリジリと加速して3コーナーで佐藤に並びかけるところまで進んだが、佐藤の強烈なブロックで失速してしまう。海老根が踏み直して佐藤の追撃を振り切ったが、サラ脚で回っていた小倉が空いた中コースを一気に駆け抜けて、平成11年以来となるタイトルをまたも競輪祭で獲得した。


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