岡部が展開不問の伸びを見せた。最終バックは九番手通過。ビッグ初Vを達成した千葉ダービーと同様に、斎藤が作り出したスピードに乗って、金子、山内、前田ら前団を一気に飲み込んだ。今年2度目のビッグVに、表情も自然と綻ぶ。
「とにかく、色んな意味で尻に火がついた状態だったので、勝てて感無量。組み立ては(斎藤)登志信君に任せた。『ボクはいつもどおり、自力、自在に』と言ってくれたし。ただ、あんまり褒められた展開じゃなかった。ただ、登志信君なら詰められるだけ詰められる。最後は、登志信のインへ行ったことしか覚えていない。ゴールした瞬間に、勝ったのは分かった」。
舞台は豊橋。地の利で強大さを増した中部軍団を一蹴しての勝利に、直後のオールスター、年末の夢舞台への展望も広がる。
「北日本が今の勢いになる前は、中部の天下。今でも続いている。小嶋さん、金子君、強い人達が揃っているし、一泡吹かせようとモチベーションを高めたところで勝てて嬉しい。グランプリへ出たい気持ちは強い。年末まで気持ちを引き締めながら、一つ一つのレースを大事に戦いたい」。
ここからは敗者の弁。ファンの支持を最も集めた金子は、番手発進も叶わず4着に沈んだ。「もうちょっと、(村上を)引き付ければ良かった。(小嶋が)せっかく行ってくれたのに…」と、2度目のビッグ制覇をホームで飾る夢が潰え意気消沈。
山内も唇を噛む。直線で前田拓也のイン強襲を許してしまい、「もう、最後はいっぱい。(海老根を)もっていって、前田さんを締めるつもりが…」。
小嶋はサバサバした表情で、「もったいない。中部から、特に愛知のどちらかが勝てればと逃げた」。
岡部のVに貢献した格好の斎藤は、まくり差しの伸びを欠き6着入線。「他の人が上げていたし、自分もギアを上げとけば…。脚が軽かったしね。最後はその差が出てしまった」。 |