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HOME > 特別競輪 >第14回ェ仁親王牌・世界選手権記念トーナメント
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ふるさとダービー弥彦 6/25〜28
小嶋敬二 ド肝を抜く打鐘先行
 
   
 打鐘で金子、最終ホームで後閑を合わせると、最後は番手の山口の追撃をも振り切る。「金子を出させて三番手を取るために打鐘で一度踏んで抵抗してからと思ったら、すぐに引いたので、自分のペースで駆けられた。後閑のカマシも分かったし、ギアを一枚上げて流しやすかった」と淡々とレースを振り返るが、打鐘先行で上がり11秒4。一周のラップは驚異の22秒7を叩き出すなど、決勝戦はまさに小嶋の一人舞台だった。
 「いつもなら勝ち上がりで脚を使いすぎるんだけど、今回は余裕があったし、4日間いいプランニングができた」
 他の選手のモーションがゆっくりに見えるほど、今シリーズの小嶋は体調も良く、レースでの集中力も研ぎ澄まされていた。さらに、タイトルに向けて最大のライバルである武田豊が準決勝で脱落する。「負けられない」。小嶋の闘争心に火がついた。
 「今年の前半は会心のレースが少なかった。イケると思った西王座では病気にもなったし。ダービーで手応えをつかんで、やれるなと思っても武田という大きな壁があった。だから武田が準決で負けた今回はチャンス。自分の力を出し切れば優勝できるのではと思ってたし、いないレースで獲らないと難しい。今回は何としても勝ちたかった」
 「自分では長く感じた」と話す小嶋にとって、今回は2年振り二度目のビッグタイトル。同時にGPの出場権も手中に収めた。
 「GPに出た次の年は成績がボロボロ。その点では去年が休養というか、練習するいい期間になった」
 まだまだ迫力を増す豪脚。最後も、「以前、滝沢(正光)さんと話した時、『僕は35歳でも先行してたよ』と言われた。何をやっても勝てない選手が出てくれば考えるが、まだ上を目指せる以上は自力で頑張る」と、力強く締め括った。

 「僕の後ろを選んでくれた富生には感謝している」と、小嶋にとって心強かったのは優勝した高松宮記念杯同様に後ろを固めてくれた山口の存在。しかし、その山口は番手絶好の展開ながら大魚を逃し、「もったいない」を連呼する。
 「先行はないと思ってたのに、小嶋は僕の苦渋の選択を汲んでくれた。山田裕仁や(加藤)慎平なら優勝じゃない? でも小嶋の優勝で中部が盛り上がるだろうし、僕はまた決勝に乗れるように頑張るだけ」

 注目された関東勢は後閑―神山―諸橋の並び。ここでGPの権利を得たい神山、その神山を勝たせたい後閑。しかし予想外の展開に、歯車が大きく狂ってしまう。
 ラインの先頭で最終ホームから反撃した後閑。「ムリな先行はお客さんにも失礼だし、するつもりはなかった。神山さんには後ろで脚を溜めて突っ込んでもらうはずだったけど、まさか小嶋さんがあそこまでやる気だったとは…。最悪の結果になってしまった」。

 任せた神山も、「(打鐘で)なぜ金子は止めたのかな? あそこでバック踏んだのが痛かった。今回は仕上がってたから、少々の展開なら突き抜ける自信はあった。後閑がムリしてホームから行ってくれたのに、結局共倒れ。後閑には悪かった」とレースを振り返る。

 上手く三番手を取り切った斎藤だが、「位置は最高だったけどね。その位置を取るために、自分が前の二人を助ける形になってしまった。バックではまだ余裕があったけど、勝ちたい気持ちが強くて躊躇した。2センターでも行けたかな」と3着まで。続いた佐藤も、「後閑さんの追い上げもあったけど、最後はもう少し伸びても良かったかな。でも小嶋さん凄いなあ」と、勝った小嶋を素直に称える。

 打鐘で小嶋に突っ張られた金子。「まさか突っ張られると思わなかったし、中部同士で叩き合ってもね。でも、あそこから踏んで行けるのが小嶋さんの強さ。そこに力の差を感じた」。任せた合志は、「押さえると思って踏んでたら、金子さんがバック踏んでビックリした」と、まさかの展開に好機を逃す。

レース経過
 スタートで小嶋が飛び出して、正攻法には小嶋―山口。作戦どおり斎藤―佐藤の北日本コンビがその後ろをキープすると、後閑―神山―諸橋の関東勢が中団。金子―合志が後ろ攻めで周回を重ねる。
 赤板ホームから金子が上昇を始めると、関東ラインが切り替えてこの動きに続く。金子ラインの三番手を確保したかった小嶋が2コーナーで誘導を外し突っ張る構えを見せると、金子はあっさりと後退する。三番手を斎藤が確保すると、再び周回中と同じ隊列に。先行態勢の小嶋は4コーナーからペースアップ、後閑も最終ホームからカマ気味に追い上げるが、斎藤に弾かれ2コーナーで力尽きる。そのまま車間を空けて斎藤が三番手を追走し、神山―諸橋は五、六番手で脚を溜める。突っ張られ八番手に置かれていた金子は2コーナーからまくり、2センターでも斎藤が金子を牽制しながら仕掛けるが、小嶋の驚異的な機動力は他を全く寄せ付けない。誤算だったのは「甘かった」と振り返る山口も同じ、2センターで一度車間を切ってゴール前で小嶋に迫るが上がり11秒4、一周を22秒7という好ラップで駆け抜けた小嶋を交わせない。逃げ切った小嶋は平成15年の高松宮記念杯以来二度目のG1制覇。


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